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解説/“見切り発車”に疑問 難しくなった今後の対話

知事選で石木ダム推進を表明しながらも反対地権者との対話を重視する構えを見せていた中村法道知事だが、そのアプローチもほぼないままに、付け替え道路の年度内着手になぜこだわったのか疑問が残る。

 そもそも道路の用地買収は全区間終わっているわけではない。工事が順調に進んだとしても数年後には反対地権者の所有する土地にかかってくる。この時に反対地権者の同意を得られている保証は全くない。むしろ国の事業見直しの検証対象ダムに入り、本体着工を左右しかねない“第三極”の動きにも注視しなければならない中にあっては、見切り発車ともいえる。

 県が建設予定地で目に見えるハード事業に手をかけたのは初めてのことだ。しかも反対地権者が「強制測量時と同じやり方」と言うように、抜き打ち的に着手するあたりは、県の手法が驚くほど昔と変わっていないことをよく表している。

 行政の手続き論としては本年度中の予算執行は既定路線だったといえる。だが県河川課によると予算は新年度に繰り越すことも可能だった。これで反対地権者との対話実現は現実的にはかなり難しくなった。

(報道部・豊竹健二)


2010年3月25日長崎新聞掲載
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