調査検討委の提言要旨
 干潟の機能知るため開放を

 【清水誠委員長まとめ】

 一、昨年十二月から発生した植物プランクトンでノリに必要な栄養塩が奪われたため大不作が生じた。十一月の異常降水、十二月からの非常に長い日照時間などが引き金になった。

 一、諫早湾干拓地の水門開放は技術的問題もあり、まず閉めたまま十分調査し現状把握が必要。干拓現場では堤防外へ悪影響を与える可能性のある工事は凍結が望ましい。

 一、将来は(現状との)比較と、干潟の機能を知るため水門を開放する必要がある。開放で被害が生じてはならない。干拓事業自体の継続・中止は行政が判断すべきだ。

 【有明海異変の原因究明と再生へ向けた調査の提言】

 一、有明海異変の原因は、都市化に伴う陸からの栄養分増加による海底の悪化、干拓などによる干潟喪失が理由の浄化能力低下、自然海岸線の減少に伴う環境浄化機能などの減退などが考えられる。

 一、調査では有明海の環境改善、漁業回復への対策と方法を検討するべきだ。自然環境では気象、海象、地形、海底の物質変化、干潟河川流量などを、生態系では海底生物の組成変化などを調べるべきだ。

 一、諫早湾干拓については、堤防内の汚水や浮泥の環境と赤潮発生への影響の解明が重要。水門開放により、どの程度の早さで、どの程度まで機能が回復するか調査する必要がある。生物学的影響を評価するには、少なくとも数年間にわたり連続的に開門調査する必要がある。

 【水門開放調査にかかわる見解について】

 一、水門開放調査は短期的調査では調整池内と周辺の水位変動が分かり、中期的調査では海底地形、水質などの把握が可能。

 一、水門開放では水門が震動し破壊することがないよう、また調整池への海水侵入では干拓地背後の農地に塩害が発生しないようにする必要がある。開放は開始時は段階的に進め、深刻な悪影響が生じた場合は即時中止し、降雨期には調整池の洪水調整機能が働く水位を保つべきだ。

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