日本のテーマパークの先駆けだった長崎オランダ村(西彼西彼町)が閉園して二年半。「料理学校」「商業観光」「無農薬果菜の里」「福祉文化村」の四事業を展開する再生計画がまとまり、跡地を買収した町は進出事業者と基本協定を結んだ。テーマパーク跡地を機能複合型施設に再生するのは全国でも珍しい取り組み。町民には地域活性化への期待が高まる。計画の概要を紹介し、事業実現への課題を探る。
|

|
= 上 =
|
「海、山の食材が豊富で、都会ではできない『地産地消』が実現できる。いい意味で周囲に何もなく、学業に専念するにも最高の環境」―。跡地を活用し、料理学校とレストランなどの商業観光施設を開く小林事務所(本社兵庫県川西市)の小林敬社長はオランダ村に進出する理由をこう説明した。
小林事務所は和風創作料理チェーン「庵」など全国で七十四店舗を展開。小林社長はテレビの投資バラエティー番組「マネーの虎」の出演でも知られる。
計画では、正面ゲート付近のホールン地区の建物を改修し、ウエディングレストラン、世界のアンティーク家具・ワイン博物館などを来春オープンさせる。食の楽しさを学ぶ親子体験教室や、乗馬、地元の新鮮な食材を扱う朝市なども開く。

|
基本協定に調印する小林事務所の小林敬社長(中央)=西彼町、長崎オランダ村跡地
|
対岸には、学生六百―千人規模の料理学校を二年後に開校。高校卒業者らを対象にした「一般課程」(一―二年)と、外食産業の社員研修を目的にした「プロ課程」からなり、アジアからの留学生も受け入れる。調理技術だけでなく、計数管理やマネジメント、礼儀作法を徹底して教育。習得した技術とサービスは併設するレストランで実践し、次代の外食産業を担うエリート育成を図る。
学校法人化せず、規制の枠にとらわれない教育を進める。小林社長は「日本の外食産業の現状に危機感がある。これからは安心・安全・健康な食の提供が絶対的なテーマになる」と強調。「日本の食文化を担う金の卵に『本当にいい物』を植え付け、他学校との差別化を図る」と意気込みを語った。
2004年4月10日長崎新聞掲載
|