支援/“九州観光の象徴”今も

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 先月十四日、佐世保市内で開かれたさせぼ四ケ町商店街協同組合の新春祝賀会。集まった約百二十人の出席者の中に、新生ハウステンボス(HTB)でかじ取り役を務める竹内大介・次期CEO(最高経営責任者)らHTB幹部の姿があった。祝賀会にHTBの経営陣が出席するのは初めて。同組合の竹本慶三理事長は「応援したから、つながりができた。今までは案内も出していなかったんだけど」と顔をほころばせた。

 HTBが昨年二月、会社更生法の適用を申請した後、四ケ町商店街など地元の対応は素早かった。破たんの数日後にはアーケードでHTBの年間パスポート「モーレンクラブ」への入会や応援メッセージなどを市民に呼び掛けた。もともとHTBと地元経済界の関係は希薄だったが、破たんを機に関係は密になった。

 破たん後の十カ月間で、モーレンクラブ会員は一万八千人も増えた。それまでの会員数は五万五千人。県内や九州各地の支援で、経営破たんしたテーマパークの会員数が約三割も増加するという他に例がない現象が起こった。

 関係者は来年度も引き続きHTBの支援を進めていく。同市の光武市長は韓国、中国を訪れHTBなどの観光誘致をするトップセールスを計画。県観光連盟は来年度、初めて重点地区を設けて事業展開をする。その第一弾が県北地区。同地区を選んだ大きな理由の一つが新生HTBの始動だ。
再建へ向け動きだしたHTB。その動向には支援してきた関係者の視線が注がれている=佐世保市=
 県観光連盟、佐世保観光コンベンション協会はいずれもHTBから二人の出向者を受け入れている。出向者は商品開発やPR活動など、HTBで得たノウハウを観光団体で活用している。観光団体がHTBとの連携を深めるのは双方にメリットがあるからだ。

 九州の統一的な観光戦略を官民一体で策定する「九州観光戦略委員会」の初会合が先月、福岡市で開かれた。戦略委は今年中に短期、中長期の戦略をまとめる。委員の一人、県地域振興部の篠部武嗣理事は「HTBは九州を売っていく上で核になれる素材。会議ではそのことを訴えていきたい」と話す。

 HTBが九州観光に与えた影響について九州経済調査協会の鳥丸聡情報研究部長は「九〇年代のリゾートブームの中でオープンし、九州観光のイメージをがらりと変えた。海外に対しても九州観光をPRするシンボルでもあった」と評価。さらに「そのHTBが再生して、あらためてシンボル的役割を果たし九州の情報発信力が高まっていくと思う」と分析する。

 HTBに対しては十八銀行が出資を検討している。多くの損害を被った企業に対して支援を検討するのは、再建後への期待感の表れでもある。新生HTBに関係者の熱い視線が注がれている。

(佐世保支社・有森元司、報道部・永瀬徳豊が担当しました)

2004年2月5日長崎新聞掲載