期待と不安/“人員削減”揺れる社員

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 「ハウステンボス(HTB)は収益の上がる経営体質に変わらなければならない。シーガイアの例があるし、当然人員削減もあり得ると思う」。事務系の三十代男性社員は不安げに話す。

 宮崎市のテーマパーク、シーガイアは負債総額約三千三百億円を抱え、二〇〇一年二月に会社更生法の適用を申請、経営破たんした。米投資会社のリップルウッド・ホールディングスが支援企業となって再建に乗り出したが、当時千五百人いた社員のうち、約百三十人が解雇された。

 HTBの支援企業、野村プリンシパル・ファイナンス(野村PF)は、今後の経営目標として〇四年度から三年以内の当期利益黒字化を掲げているが、従業員の雇用については明確な方針を打ち出していない。事業管財人の川端芳文・野村PF社長は「何人削減する、といった目標はない。調査した上で、(各部署に)適正な人数を配置したい」と述べるにとどまっている。

 HTBの従業員は千六百四十人(社員千五十、パートなど五百九十)=昨年十一月末現在=。二月一日の組織改革でも人員の削減はなかった。前出の社員は「組織改革でこれから適正人数が割り出される。いつ人員削減があってもおかしくない」と話す。

 納入業者やテナントにとっては今後の取引や契約の継続が最大の関心事。〇二年度のHTB入場者数は二百七十九万人でピーク時に比べ三割減少した。「入場者数に比例して売り上げも減少しているが、それでもハウステンボスでの売り上げは大きい」(複数の業者)と「継続」を望む声は多い。あるテナントは「ハード、ソフト両面でハウステンボスの魅力を高め、入場者を増やしてほしい」と野村PFに大きな期待を寄せる。

委託販売、テナント業者などが入る出国棟の土産品店売り場。取引や契約の継続など未定だ=佐世保市、ハウステンボス

 川端社長は取引先について、「同じ価格、品質、内容であれば、地元を優先させたい」と地元重視の姿勢を見せる。その一方で、HTBは今後、取引先の実績調査に着手し、ふるいにかける。テナントとの契約も「白紙の状態」で、「個々の契約期限に更新するか、ある時期に一斉に更新するか、契約内容やテナント数も含めて今後の検討課題」と言う。保証金や敷金で数億円の債権があるというテナントは「契約の更新はしたいが、新たに保証金などを求められる可能性もある。要は条件次第」と慎重だ。

 永元太郎・佐世保市経済部長は「地元にとってハウステンボスの経済波及効果は大きい」とこれからのHTBに期待を寄せ、「会社の再建が前提になるが、雇用、取引先については地元に最大限配慮してほしい」と注文を付ける。

2004年2月4日長崎新聞掲載