支援企業の野村プリンシパル・ファイナンス(本社東京、野村PF)による新体制が一日、スタートしたハウステンボス(HTB)。既に、集客力アップについて検討する六つの社内プロジェクトチームも発足しており、再建に向けた動きがいよいよ本格化する。新生ハウステンボスはどう変わろうとしているのか。野村PFの戦略と課題を探った。

 組織改革/効率化、能力重視に

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 「収益の上がる会社づくりがいよいよ始まった。大きな責任を感じる。身の引き締まる思いだ」。一日の組織改革で新設の経営戦略本部と商品開発本部の責任者として執行役員に就任した瀬戸山聰氏(野村PFから出向)は胸の内を語った。

 瀬戸山氏はHTBの支援企業選定の際、野村側の実務担当者を務めた。管財人団と交渉に当たり、経営戦略を練る過程でHTBの現況をつぶさに見た。「商品戦略が部門ごとにバラバラで、商品価値を落としている」と感じたという。

 商品開発本部が企画・立案した商品戦略を経営陣とともに検討し、方向付けする”中枢組織”といえる経営戦略本部。決定事項は▽ホテル▽パーク▽営業―など他の七本部に伝達するが、一体的な戦略に取り組むため各本部の展開を調整する。内部にはブランドや接客サービスなど品質向上が進んでいるかチェックするチームも置いた。

 組織改革では部署を三十七部から三十三部に減らして効率化を図り、部長職(三十一人)に初めて女性二人を登用するなど能力重視の姿勢を打ち出した。収益に貢献した社員に報いる新たな業務評価制度も導入。「これまで以上に厳しく結果を求められる」(営業系の三十代男性社員)と現場には緊張感が漂う。

1日、新体制がスタートしたハウステンボスで、来場者を笑顔で迎えるゲストアテンダント=佐世保市ハウステンボス町
 一方で、「ハウステンボスは、(米国で)確立された運営マニュアルがある東京ディズニーランドとは違う。マーケットを自ら切り開く創造力が必要だったし、これからも求められる」という旧経営陣の指摘もある。

 初期投資の借入金が重くのしかかり、入場者数と売上高が減少する中で昨年二月、約二千三百億円の負債を抱え経営破たんに追い込まれたHTB。二〇〇二年度の売上高は過去最低の二百七十一億円、経常利益は五十四億円の赤字だったが、借入金の金利や税金などを除いた償却前営業利益は二千万円の黒字を計上したのも事実。

 会社更生法の下で、債権(弁済)額は約二百億円まで圧縮されるとみられる。「債権者の大きな犠牲の上でハウステンボスは身軽になる。再建に向けて、これが最後のチャンスだ」。元副社長で前業務執行本部長の中川一樹氏が言う。

 組織改革で効率化、管理型の経営に向けた形が整ったHTB。瀬戸山氏は「組織がきちんと機能しエンターテインメントやイベントが充実すれば必ずお客さんは来てくれるし、収益も上がる」と運営に自信をのぞかせる。

2004年2月2日長崎新聞掲載