HTBの支援企業が野村プリンシパル・ファイナンスに決まった。今後どのように生まれ変わるのか、県内はもちろん、九州の観光関係者が注目している。ここまでの動きや、新たな一歩を踏み出したHTBの今後を追う。

 強気な見通し/ディズニー断念 振り出しへ

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 「ご心配をお掛けしました。支援企業の優先交渉権が野村プリンシパル・ファイナンスに決まりました」。三日の記者会見後、金子知事に報告した桃尾重明管財人は安どの表情を見せた。ハウステンボス(HTB)支援企業決定は予定より二カ月近く遅れていた。しかし、安どした理由はそれだけではない。この半年間、水面下ではさまざまな動きが繰り広げられてきた。

 「支援を希望する企業は国内外から相当数出てくるだろう。魅力ある企業なので早い時期に再建のめどは立つと思う」。HTBが会社更生法を申請した二月二十六日。申請の申し立て代理人は強気な見通しを示した。代理人だけでなく、関係者の間にはある種の楽観ムードが漂っていた。

 その理由として、関係者の一人はディズニーランドとの関係を指摘する。HTBと主取引銀行のみずほは、申請前から米ディズニーランドや東京ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランド(OLC、千葉県浦安市)と接触していたとされる。更生法の申請をした日にも米国からディズニーランド関係者がHTBを視察に来ていた。

ハウステンボスの支援企業決定で会見する桃尾重明管財人(右)と川端芳文野村プリンシパル・ファイナンス社長(中央)ら=佐世保市、ハウステンボス
 HTB側は財務状況はもちろん、環境システムなど施設の詳細を記した資料をディズニー側に提供。みずほ系ファンドが支援企業となり、OLCと米ディズニーが運営にあたるというシナリオを描いていたという。途中でOLCが単独で支援企業になると軌道修正をしたが、OLCの名が浮上すると、地元の経済界や行政関係者からは歓迎の声が上がった。

 だが、五月の連休明けにOLCが出した答えは支援断念。「東京ディズニーリゾートを安定的に成長させ経営基盤を強化することが最重要課題」というのがその理由だ。しかし、OLC幹部は採算性に確信が持てなかったことを認める。

 「最初の投資に数百億円掛かるとして、アトラクションなどで新鮮味を出すために三年後、五年後に追加投資をすると莫大(ばくだい)な費用になる。それを支えるのは入場者。仮にHTBが公表している年間三百万人が来ても、われわれが考えているものをやった場合、事業として成り立つかどうか。やはり投資額とマーケットサイズが合わないとの結論に達した」と説明する。

 「OLCは日本のレジャー産業の物差し。そこに断られると迷走状態に陥ってしまうのではないか」。HTB社員の一人は不安を募らせた。OLCの支援断念で支援候補選定は事実上、振り出しに戻った。