会社更生法の適用を申請した佐世保市のテーマパーク、ハウステンボス(HTB)は、四月上旬にも更生手続きの開始決定が裁判所で行われる見通しで、再生に向け本格的に動き始める。県民挙げての支援の輪も広がっている中、今後の運営のポイント、集客効果を高める方策、県民・行政にできる支援などについて、経営専門家や識者、観光関係者らに聞いた。

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  =松田邦夫・日銀長崎支店長=

 経営手腕、資金力も重要

 ―会社更生法の適用申請をどう受け止めているか。

 ハウステンボスの経済効果は施設外での宿泊や交通などを合わせ県内総生産の5%に相当する。県の主力産業である観光業の目玉でもあるだけに残念に思う。

 ―県内総生産の5%はどの程度の比重か。

 三菱重工長崎造船所本体で県内総生産の3%、製造業全部を足しても10%ほど。波及効果も含め5%を占めるハウステンボスのウエートは非常に高い。

 ―県内の経済、観光への影響も大きいのでは。

 株主や金融機関などは直接的な損害を被る。しかし、保全管理人による管理の下、地方公共団体や金融機関の支援を受けながら、これまで通り営業を継続していくことがより重要だ。総合的に考えると、直ちに県内の経済や観光に深刻な悪影響を与えることはないと思う。

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略歴 大阪大法学部卒業後、一九八〇年日銀入行。政策委員会室調査役、フランクフルト事務所長、情報サービス局広報課長などを歴任。二〇〇二年五月から長崎支店長。
 ―取引業者への影響は。

 会社更生法申請前の債権は、一定額以上は支払われないので影響が懸念される。しかし、申請後は支払いが保証されているし、地方公共団体が緊急支援資金制度を創設するなどセーフティーネットも整備されつつある。これまでのところ金融機関などに資金繰りの面で支援を求めている取引業者はほとんど出ていないもようだ。

 ―長期的にはどうか。

 今の段階ではよく分からない。ハウステンボス自体が効率的な経営を打ち出したり、早くいいスポンサーが決まるといった形でうまく回っていけば、本体にとっても取引先にとってもプラスの影響が出てくる。再建のスピードと買収金額、新しい営業の実績で影響が左右されるので、今の段階では楽観的なことも悲観的なことも言えない。

 ―どういった再生プロセスが望ましいと思うか。

 環境面への配慮や、長期滞在者への安らぎの提供といった未来の価値観を先取りした貴重なコンセプトを持っている。また、他の施設にはない、街全体が一体となって醸し出す価値も有している。保全管理人がそうした点も配慮しながら、ハウステンボスを再建していくのにふさわしい経営理念、手腕を持ち、十分な資金を投入する用意のある担い手を見つけることを期待している。 (聞き手は報道部・永瀬徳豊)
( 2003年3月16日長崎新聞掲載 )