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ハウステンボス(HTB、佐世保市)は1992年の開業以来、商圏の小ささやリピーター確保、莫大(ばくだい)な経費が課題で、営業黒字が出ていない。裁判所管理の更生会社でもあり、HTB幹部は「雇用確保や売り上げの維持などを優先し、経営の自由度も低かった」と振り返る。
現在の親会社、野村プリンシパル・ファイナンス(PF、東京)は当初「建物が立派だから何とかなる」とみていたという。結果的に300億円近くを注ぎ込みスパ、娯楽施設、花広場を導入するなどしたが、集客力の抜本的な改善には至らなかった。経済不況が追い打ちを掛け、赤字を脱却できないまま撤退方針を固めた。
HTB支援を決意した旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS、東京)の澤田秀雄会長はこれまでの取材に「誰がやっても難しい案件。アイデアはいっぱいあるが、成功させるには相当なエネルギーがいる」と繰り返してきた。
昨年10月以降、HTBの視察や関係者との接触を重ね、構想を膨らませた。複数の関係者によると、HTB創業者の神近義邦氏、東園基宏HTB社長、HTBに隣接する長崎国際大を運営する九州文化学園の安部直樹理事長らと会い、HTBの理念や課題、人材育成について意見交換。信頼する野田一夫日本総合研究所理事長を同伴することもあったという。
支援決定を表明した12日の会見でも「口で言うのは簡単だが、実際やるには困難もある」と語った。▽有料区域を縮小し入場料を値下げ▽テナント充実▽アジアからのチャーター機運航▽アジア一のアウトレットモール設置▽医療観光の展開▽HISのコールセンター立地−など、にぎわいを生み出すアイデアを次々と披露しながらも、気を引き締めた。
HTBは3月末をめどに更生計画を変更。更生担保権などの一括弁済で更生手続きを終結させ、裁判所の管理から離れる。HISは経営の自由を手に入れた上で事業を開始。その事業計画は来月発表される予定。
格安航空券販売、航空会社、銀行、証券など次々と事業を展開してきた澤田会長。コスト削減のためHTBの各種取引の見直しを明らかにした。HTBに多く送客している大手旅行代理店との折り合いをどうつけるのかといった課題も抱える。地元経済人は「既成概念にとらわれないエネルギーがある人」と評しつつ「いろんな摩擦も予想される。どう乗り切るかだ」と指摘する。
澤田会長は会見で「みんなで一致団結しないとやっていけない」と協力を求める一方、軌道に乗らなければ撤退もあるとした。いかに協力態勢を築き、HTB再生という「前人未到の山」(澤田会長)を踏破できるか。本番はこれからだ。
2010年2月15日長崎新聞掲載
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