再生なるかハウステンボス HISが支援へ
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閉園回避へ市が譲歩

 旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS、東京)がハウステンボス(HTB、佐世保市)経営支援を正式表明した12日の記者会見。最初にマイクを握った桃尾重明HTB管財人は、「最も尽力いただいた朝長市長はじめ、皆さんにお礼を言いたい」と述べた。

 昨年7月、HTBの経営難から親会社の野村プリンシパル・ファイナンス(PF、東京)が国内企業に支援を要請。以後、佐世保市の朝長則男市長は、地元の一企業の支援としては異例ともいえる姿勢で問題解決に奔走した。

 昨年9月、野村PFとの支援交渉が表面化したホテル運営会社「ホテルマネージメントインターナショナル(HMI)」は、市に年約9億円の固定資産税減免を打診。野村PFも以前から市に打診していたが、市は「特別扱いできない」と難色を示してきた。だが支援企業探しの中で、市などの公的支援が引き受けの条件として浮上していた。

 市側は議決を前提として、HMIに税相当額の奨励金5年間交付などの代案を提示したが、HMIは10月初め「交渉断念」を市に通知。市長はすぐに九州財界へ支援を要請。同月後半には「運営主体としての参画を検討してほしい」とHISとも接触を始めた。

 11月末に財界が主体的支援を断念し、HISが最後の支援候補になると「施設補修の負担軽減」を理由に奨励金の交付期間を10年に延長する意向を表明。交渉の最終局面では、HTB内の排水高度処理施設の市有化にも応じ、ようやく支援決定にこぎ着けた。

 HISは現在の固定資産税と都市計画税相当額の計年9億円の10年間交付(計90億円)を求めているが、市の奨励金(支援交付金)案では今後、目減りしていく固定資産税額などに応じて出すため、開きがある。市は県と追加負担の検討を続ける方針だ。

 こうした“譲歩”の背景には「閉園はなんとしても避けたい」との危機感があった。時間切れぎりぎりの交渉の末、HISが支援を断念すれば、一時的にしろ閉園に追い込まれる可能性は大きかった。一方で「市民、議会の理解が得られる範囲内」としてきた支援内容は、情勢が二転三転する中で拡大していった。

 「市民は固定資産税を滞納すれば差し押さえにあう。(税相当額)9億円の支援とは格差がひどすぎる」。12日の市議会全員協議会では議員から疑問の声が出た。終了後、取材に市長は「めどがついたのではない。今から市議会のご理解をいただくこと」と厳しい表情を崩さなかった。市が提示した支援案は今週にも議会に諮られる。



2010年2月14日長崎新聞掲載

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