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環境との共生
(2002年3月23日掲載)

「循環型の街」徐々に

 「ひとつの街で資源を循環し、完結させる世界でもまれな試み」。二〇〇二年版九州経済白書「循環型社会と新しい資本」の執筆に携わった九州経済調査協会の田代雅彦次長は、ハウステンボス(HTB)の取り組みを、今月佐世保市内であった白書説明会でこう表現した。


チューリップ祭期間中、常に満開を保つための花の植え替え作業。畑には生ごみをコンポスト化した肥料が混ぜてある=佐世保市、ハウステンボス
 この十年間、佐世保市は二回の大きな渇水に見舞われた。その際、HTBでは海水淡水化、排水再利用の二つのプラントが威力を発揮。一九九六年の渇水時には淡水化と排水再利用で約80%を自給、九八年の渇水時には自給は85%に上った。

 普段でも園内の排水の50%以上を再利用し、植栽散水やトイレに使っている。レストランなどから出る生ごみはすべてコンポスト(たい肥)化するシステムを導入、チューリップなど花木の肥料にしている。HTBが掲げる「循環型の街」は徐々にその形を整えつつある。

 HTBは「エコロジーとエコノミーの調和」を目指し建設された。工業用埋め立て地を整備、ヘドロを除去し、土壌改良した土地に約五十種類、四十万本の苗木を植栽。初期の総投資額二千二百五十億円のうち六百億円は、土壌改良や森林、運河、海水淡水化プラントなどの環境整備に充てた。

 今、園内は緑で覆われ、まさしくハウステンボス(オランダ語で森の家)の装い。絶滅危ぐ種のチョウ「コムラサキ」や、ハヤブサも確認された。HTBは「かなりのスピードで生態系が回復した」と誇らしげだ。

 森山道壯社長は昨年秋発表した経営五カ年計画の修正計画で「環境投資に基づいた『癒やし』を全面的に押し出す」と、他のテーマパークと一線を画すことを強調した。今後、地元の小、中学校のエコ教育、修学旅行生への自然体験の場も提供、環境ツアーなどに力を入れるという。

 また、十年間で培った街づくりへの取り組みのノウハウを自治体や企業などに助言するコンサルティング事業に乗り出す。

 そうしたHTBの姿勢に対し、九州経済調査協会の田代次長は「環境への取り組みを多くの人に理解してもらうことが大切。それが、経営再建ひいては安定にもつながる」と指摘する。


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