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佐世保市のハウステンボス(HTB)が二十五日、一九九二年の開業以来丸十年を迎える。県内最大の集客を誇り、“県観光の顔”として定着する一方、経営環境は長引く不況の影響や他のテーマパークとの競争などで厳しさを増し、二度の社長交代や経営再建計画の見直しを迫られるなど決して順風ではなかった。しかし、同社の掲げる「環境との共生」は徐々に成果を挙げ、国内外の評価も高い。HTBの十年間を振り返るとともに、今後を展望する。(佐世保支社・大久保大作)
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波及効果は2000億円
HTBの一年を通した最大イベント、チューリップ祭(四月二十一日まで開催中)。百万本の多種多彩なチューリップが入場客を迎えている。
このチューリップは県内十五社の生産者に委託。佐世保市針尾東町のフラワーガーデン長崎では会社設立時の八八年にはチューリップ生産数は約三万本だったのが、今年は約三十五万本にも上った。松本正志社長(43)は「HTB開業当初から生産しており、安定した収入源になっている」と話す。

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100万本のチューリップが咲き誇るハウステンボス。花の生産から管理まですべて県内の生産者に委託するなど、地域貢献している=佐世保市、ハウステンボス
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同祭期間に限らず、園内は年中美しい花で彩られている。HTBでは生産から維持管理まですべて地元の業者に発注。花へ費やす予算は年間六億円以上にもなり、地元園芸業者を支えている。
花とともに、HTBでは「食」でも地元を重視してきた。ホテル直営の五つのレストランでは、ジャガイモ(南高愛野町)やアスパラガス(平戸市)は百パーセント県内産を使用。地元の食材をふんだんに使い、新しいメニューを開発するなど県産品のPRにも一役買っている。
滞在型のリゾート施設の特性上、「観光客を囲い込む傾向がある」などとの批判に対しては、九七年に旅行代理店「ハウステンボス観光」を設立し、県内の他の観光地との連携にも力を入れている。同園を訪れた観光客に長崎、雲仙、九十九島など県内観光地を紹介し、チャーターバスを運行。特に雲仙へは地元バス会社が二〇〇〇年に路線バスを廃止したため、佐世保からの足の役割も担っている。
日本銀行長崎支店は、HTB開業十年目を機にまとめた県内経済への波及効果について県内総生産の約5%の約二千億円と推計、「地元で果たす役割は大きい」と評価する。
HTBは、昨年秋に発表した経営再建五カ年計画(二〇〇〇―〇四年度)の修正計画でさらに“地域密着”を強く打ち出した。背景には、入場者の九割は県外客で、地元は一割程度しかない現状がある。
具体的な対策として、会員制度「モーレンクラブ」の料金や夜間入場料の引き下げのほか、二月から佐世保市民を皮切りに、一年間で全県民を対象に招待する「県民無料デー」を始めるなど、県内客の需要掘り起こしに躍起。
だが、熱心なHTBの取り組みとは裏腹に、県内客の反応はまだ鈍い。その“温度差”を埋めるのが次の十年の課題の一つとなりそうだ。
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