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諫干工事差し止め取り消し
 福岡高裁
弁護団長の報告を聞く漁業関係者
弁護団長の報告を聞く漁業関係者=16日午前11時7分、福岡高裁前
 国営諌早湾干拓事業(長崎県)と有明海の漁場悪化の因果関係を認め工事を差し止めた佐賀地裁の仮処分決定をめぐり、福岡高裁(中山弘幸裁判長)は十六日、決定を不服として国側が申し立てた保全抗告を認め、工事差し止めを取り消す決定をした。

 中山裁判長は「事業により漁業行使権が侵害されたという証明はない」と述べた。

 総工費約二千五百億円の国の巨大プロジェクトを完成直前で止めた地裁決定を、上級審がどう判断するか注目されていた。

 漁業者側は二〇〇二年、湾を閉め切る潮受け堤防などの影響で有明海の漁場が悪化したとして、国を相手に工事差し止めを求める訴えを佐賀地裁に起こし、同時に仮処分も申請した。地裁は昨年八月、漁業被害と干拓事業に一定の関係があるとして、一審判決が出るまで工事を中止するよう命じた。

 国は地裁に異議を申し立てたが今年一月、却下されたため「地裁は干拓事業と漁業不振の因果関係を客観的に立証していない」などとして福岡高裁に保全抗告した。

 裁判と別に、因果関係を調査していた国の公害等調整委員会は三月に結審している。


 県農林部諫早湾干拓室の鶴田孝廣室長の話 どういった内容で国の主張が認められたのか、詳しい情報が入っていない。漁民の主張もあり、干拓事業とともに有明海再生に取り組んでいかなければならない。

 田北徹長崎大名誉教授(魚類生態学)の話 むちゃくちゃな決定で非常に失望した。干拓工事と漁業被害の関連性が「疑われる」というのなら工事を差し止めなければいけない。工事再開を認めるのなら、自然環境をどんどん壊していいと言っているのと同じ。今後、工事現場付近の環境は悪化する一方だろう。



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