2人認定4人棄却 原爆症長崎訴訟第2陣、地裁判決
原爆症認定を却下された本県の被爆者14人(うち3人死亡)について本人や遺族が国に処分取り消しや1人300万円の国家賠償を求めた長崎訴訟第2陣の判決で、長崎地裁の須田啓之裁判長は20日、2008年の新基準導入後も未認定のままの6人のうち2人の却下処分取り消しを認め、4人の請求は棄却した。賠償請求は新基準で認定済みの8人を含めて却下した。
第2陣は06年6月以降、長崎市などの被爆者ら18人が順次提訴し、4人が取り下げた。判断の対象となった6人は、長崎で被爆した65〜78歳の男女。
判決は、新基準で積極認定の疾病に該当しない変形性脊椎(せきつい)症と右小脳橋角部腫瘍(しゅよう)を「放射線起因性が認められる」とし、新基準の不備を示唆。一方で、熱傷瘢痕(はんこん=ケロイド)治癒障害は認めず、被爆者健康手帳に記載された被爆の地点や入市日が誤っているなどとする主張も「信用できない」と退けた。
放射線量を原爆投下時の爆心地からの距離などに応じて推定する計算式「DS86」に基づく旧基準については、残留放射線量などで過小評価される可能性を指摘し「機械的な適用は相当ではない」とした。
2人勝訴、4人敗訴の結果に原告側は「不当判決」との見解を示した。記者会見で中村尚達弁護団長は「全国民の信頼を裏切った裁判所の責任は極めて重大。被爆者救済の潮流に逆行する」との声明文を朗読。和田康紀・厚生労働省健康局原爆被爆者援護対策室長は「国の主張が一部認められ、一部が認められなかったと聞いている。(昨年原告側と国が合意した)確認書を踏まえた対応をする」とコメントした。
◎ズーム/原爆症認定
被爆者健康手帳を持ち、放射線が原因のけがや病気で治療が必要な「原爆症」と認定されると、国が月額約13万7千円の医療特別手当を支給する。以前は放射線による発症リスクを数値化した「原因確率」を認定基準にしていたが、集団訴訟で国の敗訴が相次ぎ2008年に「原因確率」を廃止。爆心地からの距離など一定の要件を満たせば、がんや白血病など5疾病を積極認定する新基準に転換した。09年6月には慢性肝炎、肝硬変などを追加。同年8月、原告側と政府は敗訴原告の救済策などを盛り込んだ確認書に合意したが、新基準での却下数が増大しており、全国では新たな集団提訴の動きもある。
2010年7月21日長崎新聞掲載
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