在韓被爆者手帳訴訟で知事「再申請なら見舞金」 支援者らは強く反発

 寝たきりのため来日できない韓国人女性、鄭南壽(チョン・ナムスウ)さん(88)への被爆者健康手帳交付を命じた長崎地裁判決を不服として県が控訴した問題で、金子知事は二十一日の定例会見で、新しい改正被爆者援護法に基づいて鄭さんが手帳を再申請すれば、過去の健康管理手当相当額を見舞金の形で給付する考えを明らかにした。県側は訴訟は継続するとしており、鄭さんの支援者らは「評価できない」「控訴取り下げが先」などと反発している。

 改正法は来月十七日までに施行予定で、それ以降は海外からも手帳申請の手続きが可能になる。ただ、鄭さんが改正法の下で再申請しても、一審で請求した過去の健康管理手当(月額三万三千八百円)は受け取れない。また、再申請で手帳を取得すれば「訴えの利益がなくなったと控訴審で退けられかねない」(支援者)との懸念も強い。

 県は見舞金を、鄭さんの健康状態を考えた人道的配慮とし、一審で争った今年六月以降の七カ月分、約二十三万七千円を目安にしている。

 これに対し、在外被爆者支援連絡会の平野伸人共同代表は「控訴の過ちを犯した知事が県民の税金で見舞金を支払うことには納得できない。現段階では評価できない」としている。

 一方、被爆者五団体の代表らが同日、県庁を訪れ、控訴に抗議。長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の山田拓民事務局長は取材に「県は一審判決を認め、早く手帳を交付すべき。再申請を見舞金の条件にするのは非常に汚いやり方だ」と反発し、県は控訴を取り下げるべきだとした。

2008年11月22日長崎新聞掲載







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