県に控訴断念要請 被爆者手帳交付地裁判決受け韓国人女性支援者ら

 韓国人女性への被爆者健康手帳交付を県に命じた長崎地裁判決を受け、女性の支援者らが十四日、県に控訴断念を要請した。県原爆被爆者援護課は「(女性が)高齢化し県としては人道的立場に立った判断をしたいと国に投げ掛けたが、厚労省からは控訴してほしいとの要請があった」ことを明らかにした。内部で協議し、早急に最終判断するとしてこの日は態度を明確にしなかったが、控訴の公算が大きくなった。

 手帳交付の「来日要件」をめぐる訴訟で、同地裁は十日、鄭南壽(チョン・ナムスウ)さん(88)の申請を却下した県の処分を取り消し、手帳交付などを命じた。同種の裁判は全国でほかに三件あり、同じく一審で敗訴した広島県は八月、「(控訴を断念したら係争中の)類似訴訟との整合性がとれない。国の強い要請もあり、苦渋の決断をした」として控訴している。

 同援護課によると、厚労省と十三日に対応を協議したが、「広島県との整合性がとれない」などと控訴を求められたという。「来日要件」は六月に成立した改正被爆者援護法で年内の撤廃が決まっており、海外から申請ができるようになる。県庁を訪れた支援者らは「改正法が来月には施行されるのに控訴して争っても何の利益にもならない。(鄭さんは寝たきりで)明日をも知れない状況。国の圧力に負けずに控訴を断念してほしい」などと訴え、改正法施行前の交付を求めた。

2008年11月15日長崎新聞掲載







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