長崎市がオランダ在住元捕虜に手帳交付へ 収容者記録で被爆確認

 長崎で被爆したとして元捕虜のオランダ人男性二人が九月、代理人を通じて被爆者健康手帳交付に向けた事前申請を長崎市にしたのに対し、市は十二日までに、一人について「原爆投下前後に長崎の収容所にいたことが確認できた」とする文書を男性に送った。手帳取得の「来日要件」を撤廃する改正被爆者援護法が十二月に施行されるのを待って、在オランダ日本大使館を通じて手帳交付が実現する見通し。

 元捕虜による申請は改正法が六月に成立して以降初めて。別の男性については「被爆を確認できなかった」と通知した。

 交付される見通しとなったのはオランダ在住のロナルド・ショルテさん(84)。幸町にあった福岡俘虜収容所第十四分所(爆心地から約一・七キロ)に収容され、近くで防空壕(ごう)を掘る作業中に被爆したとして申請していた。市は収容所の収容者名や性別、出身国などを記した「捕虜カード」と呼ばれる収容者記録に基づき審査し、被爆を確認。もう一人のアーマンド・ブセラーさん(84)については、捕虜カードに原爆投下前後に県外の収容所にいたことが記載されていた。

 在外被爆者支援連絡会の平野伸人共同代表は「蚊帳の外に置かれていた元捕虜の救済に道が開かれた意義は大きい。政府は捕虜カードを基に、見捨てられた被爆者を救済するための調査団を出してほしい」と話している。

 市は過去、長崎で被爆した元捕虜七人(オランダ人とイギリス人各三、オーストラリア人一)に手帳を交付している。

とても喜んでいる/ロナルド・ショルテさんの話

 長崎市から送られてきた被爆確認証を何度も読み直したが、自分が被爆者と認められたらしく、とても喜んでいる。家族も喜んでくれた。この確認証を得たことは自分にとって、とても重要なことだ。書類には日本で手帳を受け取りたいのなら旅費が支給されるとも書いてあるが、日本は遠すぎるので(改正援護法の施行後に)オランダの日本大使館で手続きを取りたい。

2008年11月13日長崎新聞掲載







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