爆死証明書を初展示 長崎原爆資料館収蔵展始まる

 長崎市の長崎原爆資料館で五日、収蔵資料展が始まった。長崎で原爆に遭った夫婦の死亡を証明した警察署発行の公文書で、一九八〇年に遺族から寄贈されたまま個人情報保護を理由に非公開だった「爆死証明書」二点が初展示されている。来年一月十五日まで。

 夫婦は、爆心地そばの現在の平和町で陶器店を営んでいた松尾兼松さん=当時(77)、マサさん=同(54)=。長崎署が終戦直後に発行し「昭和二十年八月九日(ノ)空襲ニ依リ爆死シタ者ナルコトヲ證明ス」と記されている。爆死証明書は長崎原爆で家族を失った俳人、松尾あつゆきが詠んだ句でも知られ、資料館前にはその句が彫られた碑も立っている。

 公開を求めていた被爆者で活水高非常勤講師、山川剛さん(72)に、資料館は当初、氏名や住所といった「個人情報」が明記されていることから遺族の意思が確認できないままでは公開できないと拒否。このため山川さんは、寄贈を伝える二十八年前の新聞記事を見つけて遺族を捜し出し、承諾を取り付けた。

 収蔵資料展を訪れた山川さんは「資料館前の句碑と合わせ平和学習などに活用してほしい」と常設展示を求め、同様の理由で非公開の寄贈品も多いことについて「関係者へ意思確認の(追跡)調査をするなど公開の努力をすべきだ」と話した。

 多以良光善館長は「一点でも二点でも公開できるよう検討していきたい」としている。

2008年11月6日長崎新聞掲載







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