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きょう長崎原爆の日 平和公園で祈念式典



長崎原爆の日。長崎市本尾町の浦上天主堂では信者らによる早朝ミサが行われた=9日午前6時すぎ
 長崎は九日、六十一回目の原爆の日を迎えた。長崎市松山町の平和公園では「被爆六十一周年原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれ、市民は犠牲者の冥福を祈り、世界平和への思いを新たにした。伊藤一長長崎市長は「長崎平和宣言」で、「世界の核不拡散体制は崩壊の危機に直面している」として核兵器保有国や保有・開発疑惑国を名指しで批判、「二〇〇六年を再出発の年とし、恒久平和の実現に力を尽くす」と決意表明した。被爆者代表の中村キクヨさん(82)は「平和への誓い」で「私たちが生きている時代に、平和な世界になってほしい」と切実な願いを訴えた。

 式典には、遺族や被爆者、来賓の小泉純一郎首相、川崎二郎厚生労働大臣、核保有国のロシアを含む七カ国の大使ら四千八百人が参列。平和を願う「長崎の鐘」が鳴り、長崎商業高二年の岩崎大夢さん(16)と中村志保さん(16)の司会で始まった。

 今年七月末までの一年間で新たに死亡が確認された長崎原爆の被爆者二千八百三十一人の名前を三冊の名簿に記し、遺族代表らが奉安。奉安者は計十四万百四十四人となった。献水、献花に続き、原爆が投下された午前十一時二分に参列者全員で黙とう、犠牲者の死を悼んだ。

 伊藤市長は平和宣言で「米国はインドの核兵器開発を黙認して、原子力技術の協力体制を築きつつある」と批判。既に核を保有しているパキスタンや核保有宣言をしている北朝鮮に加え、事実上の保有国とされているイスラエルや核開発疑惑が指摘されているイランも初めて名前を挙げ、「核軍縮と核不拡散に誠実に取り組むべきだ」と訴えた。

 科学者にも核兵器開発への協力を拒むよう要求。日本政府には憲法の平和理念の遵守、非核三原則の法制化、被爆者援護の充実などを求めた。また十月に長崎市内で開かれる三回目の国際会議「核兵器廃絶―地球市民集会ナガサキ」への参加も呼び掛けた。

 平和への誓いを述べた中村さんは、被爆二世の二男が三年前に白血病で亡くなった。医師から「二男の白血病は母体からもらったもの」と言われ今も苦しんでいる胸の内を明かした。中村さんは「戦争が遺(のこ)す国民や被爆者への贈り物は、未来永劫もう要(い)らない」と訴えた。

 六年連続で参列し、今回が最後となる小泉首相は来賓あいさつで「昨年秋から在外被爆者が在外公館を通じて手当の申請ができるよう制度改正をした。今後も被爆者の実情を踏まえた諸施策を推進する」と述べたが、在外被爆者が求めている被爆者健康手帳の海外申請の実現には言及しなかった。



 動画で見る8・9ナガサキ

 61回目の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典。伊藤長崎市長が平和宣言、被爆者代表の中村キクヨさんが平和への誓いを読み上げた。




 平和への祈りは夜も続いた。浦上教会ではたいまつ行列、浦上川では万灯流しが行われた。






早朝からミサが始まった。原爆死没者に祈りをささげる=浦上天主堂





原爆投下時刻に合わせ多数の人たちが黙とう=爆心地公園


平和祈念式典には多くの人々が参列した=平和公園


式典終了後、祈念像前の焼香台で死没者のめい福を祈る


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