被団協50年を機にプロジェクト 早大で発足イベント

 【東京支社】日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の結成五十年を機に、首都圏の若者らが被爆体験の継承と新たな発信を考えようと「被爆者の声をうけつぐプロジェクト50」を発足させ、音楽やシンポジウムによる「オープニングイベント」を十五日、東京都新宿区の早稲田大で開いた。

 プロジェクトは学生や弁護士、デザイナー、ミュージシャンなど約二十人が中心になって企画。今後一年間、月一回のペースで会合を予定しており、証言の聞き取りや写真展、映画祭の開催などに取り組む。

 イベントには約二百五十人が参加し、広島原爆を”生き抜いた”被爆ピアノの演奏で開会。被団協の結成総会(一九五六年八月)の様子が記録映像や録音テープで紹介され、田中熙巳事務局長は「被爆者運動の原点は、自分たちと同じ苦しみを地球上の誰にも二度と体験させてはならないという思いだ。被爆の惨状や核の恐怖を伝え聞いた若者が自分の言葉で話すことが継承になっていく」と訴えた。

 「被爆体験の継承から発信へ」と題したシンポジウムでは、長崎市出身で早稲田大一年の井上史(ふみ)さん(20)ら三人が意見を発表。井上さんは高校時代の米国留学中に体験した「原爆投下の意義」を問うリポートをめぐるエピソードを披露しながら、「広島と長崎の体験に耳を傾けてくれる人は原爆を投下した米国にもいた。被爆者の声と思いを自分に重ねて、もっともっと世界に向けて語っていきたい」と決意を述べた。

 呼び掛け人の一人で弁護士の田部知江子さんは「大勢の人に集まってもらい心強く感じた。いろいろな場所で点のように続いてきたさまざまな活動がつながれば、大きな動きになると思う」と感想を語った。

2006年10月16日長崎新聞掲載







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