被爆者の証言CD化 元NBC記者の伊藤明彦さん

 全国の被爆者の証言を音声記録してきた元長崎放送記者の伊藤明彦さん(69)=東京都調布市=が、これまで収録した被爆者の肉声テープの中から「被爆の実相」に焦点を当てて二百八十四人分を抽出、CD「ヒロシマ ナガサキ 私たちは忘れない」(九枚組み、八時間四十分)にまとめた。二十八、二十九の両日、長崎市内でCD試聴会を開く。

 伊藤さんは疎開先にいて長崎原爆を免れたが、両親と兄姉は被爆した。記者活動を通じ「被爆者の生の声を残したい」と決意。一九七〇年に退職し、全国の被爆者から独自で証言を集めた。二〇〇一年、千三十二人分のテープを国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館に寄贈。今回、膨大なテープを聞くのが困難な若い世代に「被爆の実相」を伝えようとCD化した。

 伊藤さんは昨年八月から、長崎市内のホテルに滞在。同祈念館と長崎放送が所蔵する被爆者の証言テープ(計千八百四十人分)の中から広島百四十四人、長崎百四十人の肉声を五カ月間かけて選び出した。

 CDは広島、長崎の原爆投下前日から始まり、原爆投下(広島八月六日、長崎九日)、終戦(十五日)を経て、九月初旬までの惨状を語った証言を時系列に構成した。

 伊藤さんは「証言の記録は歴史への責任。鋭く実相に迫り原爆の非人間性を強く表現したかった。やっと被爆者への約束を果たせたような思い」と話している。

 自主制作したCDは三十日に同祈念館、三十一日に国立広島原爆死没者追悼平和祈念館にそれぞれ寄贈。長崎での試聴会は二十八日午前十時―午後五時、二十九日午後一時―四時、いずれも長崎被災協地下講堂(長崎市岡町)で開く。


2006年1月25日長崎新聞掲載







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