若い人も気楽に議論を

活憲21ながさき代表

元山寿恵子氏
メ     モ
 活憲21ながさきは、生活者の視点で憲法と平和を語り合おうという市民グループ。7月22日に長崎市内で開いた結成総会には、約320人が参加した。元山氏は小学校の教諭を40年務め、現在は退 職女性教職員の会県連絡協議会長。被爆者で、今年の原水禁大会の長崎実行委員会副委員長も務めた。

 国会が設置した憲法調査会を見ていると、平和や人権の基本を押さえたうえでの議論とは思えない。「論憲」というが、改憲を前提に突き進んでいるのではないか。

 一方で、一般の市民にとっては、憲法というと何か遠い話に感じているのではないか。若い人なんか、生まれたときから既にある“空気”みたいに思っているように見える。同じように戦争のない状態さえも、当たり前に続くものと勘違いしているのではないか。

 戦時中を生き、原爆も体験した私にとって、日本国憲法は衝撃だった。戦争のなかで身をかがめ、何も言わず苦しみに耐えていた身には、ものすごい喜びだった。

 民主主義というものを教えられた。行動も発言も自由になった。戦争もしないと宣言した。その素晴らしさをかみしめながら、戦後を生きてきた。

 憲法へのこだわりが薄い人が多いなかで、政治家だけが話をどんどん進めていく。この状況への危機感がわいた。皆がもっと関心を持って、憲法を身近に語る場が必要だと考え、活憲21ながさきができた。

 結果的に憲法を守ろうという人たちが集まった。私自身も護憲の立場だが、改憲を主張する人の話も聞きたい。護憲の人ばかり集まって、“仲間内”の話に終始しても活気が出ない。改憲、護憲が互いに主張し、影響し合うことで議論の幅が広がるなら歓迎だ。ぜひ、そういう会にしたい。

 七月に開いた結成集会は、若い人もいたが数は多くなかった。「憲法=難しい話」という見方で敬遠されるのを、どう打開するか。今のところ、小規模の学習会形式で気軽に参加できる雰囲気をつくりたいと考えているが、もっと知恵を絞らなければならない。

 阪神大震災をはじめ近年の災害救援では、若者のボランティアがたくさん集まり、活躍しているという。彼らなりの社会的関心があるわけで、平和に対する問題意識もきっと持っているはず。

 ただ、憲法は災害のように目に見える具体的なものではない。なかなか敏感になれないのだろう。やはり空気のようなものなのだろうか。私たちのように戦前を思い出しながら、今の憲法を考えるというわけにはいかない。

 お茶を交えたおしゃべり会でもいい。気長にこつこつ続けていきたい。若い人たちをこういう議論に引きずり込んで、憲法を語る大切さを広めることが、私たちの世代の責任と思う。

(おわり)

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