| | 【ボート男子シングルスカル決勝】力強いパドリングでスパートをかける遠山(佐世保高専)
|
| | 【ボート女子シングルスカル決勝】伸びのあるフォームで先頭争いをする中村(長崎明誠)=岩手県花巻市田瀬湖ボート場
|
|
本県選手団の控えテントに祝福の拍手がわき起こった。ボートのシングルスカルで、県勢が史上初となる"アベック銀"を達成。男子の遠山(佐世保高専)は29年ぶり、女子の中村(長崎明誠)は4年ぶりの県勢同種目メダルで、両校にとっては初のメダルとなった。
中村は昨年12月、日本ジュニア代表合宿に参加してから「世界が変わった」。4歳から続けている空手で培った身体能力を生かし、ぐんぐんと力を付けていった。
6月の全日本ジュニア選手権では最終候補に選ばれるまで成長。今大会も優勝候補の一角で、県勢同種目初優勝も期待されたが、1位に0・11秒届かなかった。「3分54秒67で2位だ」。中島監督から結果を聞いた直後は「全力で頑張ったんだから悔いはない」。そうさらりと言ったが、時間がたつにつれて気持ちが変わってきた。「じわじわ悔しくなってきた」
一方、遠山は専門の指導者がいない上に、練習環境も整っていない状況での全国2位入賞。大一番で潜在能力の高さを見せつけた。
強くなった背景には、尊敬する監督の存在があった。ボートの競技経験がない松尾監督は「少しでも上達してほしい」と自腹を切って、オールなど用具を購入。遠征にも連れていってくれた。「そこまでしてもらったらやるしかない」。気持ちは固まった。
決勝は残り250メートル付近まで3〜5番手。「絶対に勝たんば」。懸命のラストスパートでさした。レース後、松尾監督と握手を交わして笑った。「恩返しできて良かった」