西九州自動車道の佐々−相浦中里間が開通して、一般道を利用するより9分短縮され、平戸市から佐世保市への重症患者の救急搬送に貢献しているという▲長崎河川国道事務所によると、開通5カ月の搬送件数は30件で、3・6日に1度使われたことになる。開通前は4・3日に1度。平戸市消防本部は「地域住民の命を救う道路として貢献している」と評価する▲「命の道」という考え方は従来あったが、公共事業を減らされたくない地方自治体や建設業界の論理として見られていた感がある。だが東日本大震災でそれは一変した▲「災害時の道路の役割は極めて重要」とは村井嘉浩宮城県知事の言葉だが、筆者も同県を訪ねた際、海沿いの高台を走る三陸自動車道が震災後、住民の徒歩避難路として機能したという地元の話を聞いた▲三陸道ではその後、沿線の病院に緊急時だけ接続する直行路を造ったり、人が道路に上がれるよう路肩の斜面に階段を設けるといった活用策が検討されているという。非常時の救急や避難、物資輸送を、道路の大切な機能と位置付ける考え方は市民権を得た▲本県では、九電玄海原発に近い松浦市の友広郁洋市長が「災害時の避難経路」としても西九州道の延伸実現を求める。一方、県と西九州高速道路会社は先月、防災面も盛り込んだ相互協力協定を結んだ。道路をどう働かせるか、が問われる時代になったようだ。(玲)