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世界遺産への旅 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産・6
島原の乱で逃れてきたキリシタンを祭っている「門神社」=長崎市下大野町
島原の乱で逃れてきたキリシタンを祭っている「門神社」=長崎市下大野町

大野岳の山肌に民家や教会、神社が点在する「外海の大野集落」=長崎市下大野町(小型無人機ドローン「空彩2号」で撮影)
大野岳の山肌に民家や教会、神社が点在する「外海の大野集落」=長崎市下大野町(小型無人機ドローン「空彩2号」で撮影)

 長崎市中心部から車で約1時間。雄大な角力灘(すもうなだ)を左手に見ながら国道202号を北上し、大野地区に着いた。東にそびえる大野岳(352メートル)の山肌に民家が点在する静かな集落だ。

 大野は長崎市北西部の「外海(そとめ)」と呼ばれる地域にある。同じく潜伏キリシタン遺産の構成資産になっている「出津(しつ)集落」の約3キロ北西に位置する。江戸時代は出津が黒崎村、大野は神浦(こうのうら)村の一部で、区域が分かれていた。現在は上大野町と下大野町を合わせて約200人が暮らす。

 集落内に整備された駐車場から石段を登ると、緑の中にたたずむ大野教会堂が現れた。明治中期の1893年、フランス人のド・ロ神父の指導で、地域のカトリック信徒が自然石を丁寧に積んでつくり上げた小さな教会だ。現在の信徒は隣の神浦地区を含め8世帯。教会は毎年10月の第一日曜日にだけ、ミサに使われている。

 大野教会堂は2008年、国の重要文化財に指定された。世界遺産になれば教会だけでなく集落全体を保護する必要がある。市は国の重要文化的景観「長崎市外海の石積(いしづみ)集落景観」に大野地区を追加することを目指している。

 ■洗礼の風習

 「外海町誌」によると、大野には昔、平戸市の生月島と熊本県からキリシタンが流れてきて住み着いたという。明治政府は1873年、キリスト教の信仰を解禁したが、大野では禁教期と同様、神仏も併せて拝む「かくれキリシタン」になった住民が多かった。

 上大野町自治会長の高橋生一さん(78)と町の長老、木戸口豊さん(88)に集落を案内してもらった。佐賀生まれの高橋さんは約50年前に大野に移住したころ、地元の葬儀で、寺の僧侶が帰ると一斉に棺おけからお札をはがす住民の姿を目の当たりにした。「驚きましたね」と語る。

 木戸口さんは幼少の頃、「昔キリシタン」の洗礼を授かった。授け役の人がお経のように「ウラッショ」を唱え、ササの葉のようなものを使って頭に水を掛けた。授け役は上五島に近い平島(西海市)から来ていた。

 神浦村を領有していた大村藩の記録「見聞集」には、禁教期の平島でひそかに信仰を続けていた「邪宗」信徒の口述書が載っている。彼らは「キリシタン巻物」を持ち、「テンニマシマス」「キリエンゾウ」などの祈りを唱えた。神浦村には同じ宗旨の仲間がいたという。

 木戸口さんは「大野と平島は同じキリシタンでつながっていたんでしょう」と言う。大野のかくれキリシタンは戦後、急速に廃れた。今は木戸口さんを含め、ほとんどの住民がかくれ信仰をやめて仏教や神道などを信仰している。

 ■神々を合祀

 潜伏キリシタンは仏教徒や神道の氏子を装いつつ、キリスト教への信仰を続けた。「われのほか汝(なんじ)に神あるべからず」とする一神教の形を変えて禁教令に対処し、他宗教と共生する道を選んだといえる。

 大野の住民は神道との結び付きが強い。国道沿いに鳥居が立つ大野神社は江戸前期の1671年に再興された地域の「村社」だ。「住民はほとんど氏子です」と高橋さん。集落の高台には「山の神」を祭る「辻神社」がある。ほこらはうっそうとした森に囲まれており、潜伏キリシタンが隠れて祈る姿を想像したくなる。

 大野神社前から国道を渡り、海側に少し下ると「門神社」の小さなほこらに着いた。門神社は、1637年に起きた「島原・天草一揆」(島原の乱)で逃れてきた「本田敏光」というキリシタンを祭る。ほかにも土地の神々が多く合祀(ごうし)されている。木戸口さんも家を改築する際、ほこらに祭っていた石の神様を預けた。

 大野教会堂の教会守(きょうかいもり)を務める川辺悦春さん(77)は「終戦後の大野教会は保育事業をしていて、カトリックではない子どもも育てていた」と話す。木戸口さんは「子どもの頃はクリスマスに大野教会に行き、カトリックの人たちと一緒にお祝いをした」と懐かしむ。過去の迫害を超え、異なる宗教が穏やかに共存している。

◎メモ

  長崎駅前から長崎バスで大野バス停まで1時間20分。大野神社まで徒歩1分、大野教会堂まで徒歩10分。同教会堂下に駐車場がある。同教会堂の見学は、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター(電095・823・7650)に事前連絡が必要。

◎コラム/外海キリシタンの移住

 好天の外海では、角力灘の向こうに五島列島の島影を望むことができる。大野の高台からは、福江島の灯台の明かりも見えるという。

 外海では江戸時代に人口が急増し、食料不足に陥った。一方、五島は人が少なく、開墾の余地があった。大村藩と五島藩は1797年、外海の農民を五島に移住させる協定を結んだ。

 岩崎義則九州大大学院准教授の研究によると、江戸時代の神浦村の人口は5500人に達し、外海で最も多かった。移住者数も神浦村が突出しており、幕末までに同村から500人が新天地を求めて旅立った。

 移住者には潜伏キリシタンが多く含まれていた。彼らは人目につかない場所に住み着き、細々と漁をしたり、山を開墾したりして集落を形成した。現代の五島には津々浦々に50余りの教会堂がある。そこには、海を渡って信仰を守り通した潜伏キリシタンの思いが息づいている。





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