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世界遺産への旅 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産・5
潜伏キリシタンを埋葬したとみられる古い石積みの墓が残る野中墓地=長崎市西出津町
潜伏キリシタンを埋葬したとみられる古い石積みの墓が残る野中墓地=長崎市西出津町

山の斜面に教会やカトリック関係の施設が並ぶ「外海の出津集落」=長崎市西出津町
山の斜面に教会やカトリック関係の施設が並ぶ「外海の出津集落」=長崎市西出津町

 目の前にどこまでも広がる青い海。真夏の角力灘(すもうなだ)はとても穏やかだ。視線を山手に移すと、フランス人のド・ロ神父が建てた白亜の出津(しつ)教会堂や旧出津救助院の建物が斜面に並び、深い緑に映える。

 出津は長崎市北西部の外海(そとめ)と呼ばれる地域にある。住民650人の6割近くがカトリック信徒だ。戦国時代の1570年代にイエズス会宣教師カブラルらが外海で布教し、江戸幕府がキリスト教を禁じた後も、信徒は「潜伏キリシタン」となって、ひそかに信仰を続けた。

 出津は山がそのまま海に落ちていく地形で、平地が極端に少ない。住民は昔から山を切り開いて斜面に段々畑をつくり、主にサツマイモを植えて暮らした。土を掘れば出てくる結晶片岩(けっしょうへんがん)という平たい石を積み、石垣や家屋、塀を築いた。国は2012年、出津一帯を「長崎市外海の石積集落景観」として重要文化的景観に選定した。

 昔の出津では、南蛮の方角に向けてキリシタンを葬っていたという。長崎市は昨年、江戸後期の絵図に載っている集落内の「野中墓地」を発掘調査した。古い石積みの墓から、南に頭を向けて埋葬した人骨が見つかり、伝承が裏付けられた。

■伝説の存在

 200年以上も続いた禁教期に住民の信仰を支えたのは、伝説の日本人伝道師バスチャンの存在だった。

 浦川和三郎著「切支丹の復活」(1927年)によると、バスチャンは長崎市南部の布巻(ぬのまき)出身。「ジワン神父」の弟子になり、禁教期の外海で伝道したが、捕まって激しい拷問にかけられた末に長崎で処刑された。出津の山奥にはバスチャンが潜んでいたと伝わる「バスチャン屋敷跡」(新牧野町)がある。

 バスチャンは処刑前に四つの予言を残した。「今から7代後までわが子(キリスト教徒)と見なす」「罪の告白を聴く神父が黒船に乗ってやって来る」「どこでもキリシタンの歌を歌える時代が来る」「異教徒に出会うと先方が道を譲るようになる」という内容で、外海の潜伏キリシタンは予言を信じ、海を眺めながら神父の再来を待ち続けた。

 予言と共に「バスチャンの日繰り」という1634年の教会暦も伝承された。祝祭日や記念日を記した教会暦はキリスト教の信仰生活に欠かせない。禁教の中、出津の人々は日繰りを規範にキリシタンの教えを守りながら暮らした。クリスマスなどには、聖母マリアや大天使ミカエルを描いた聖画を受け継いでいる家に集まり、オラショ(祈り)をささげていたと考えられている。

■教理を理解

 幕末の開国に伴い、宣教師が再来日した。1865年3月、長崎の大浦天主堂で、フランス人のプティジャン神父と長崎・浦上村の潜伏キリシタンが劇的な対面を果たした「信徒発見」が起きた。

 同年9月、プティジャン神父は闇夜に紛れて船に乗り、出津を訪ねた。すると大勢の潜伏キリシタンが来て、洗礼名を名乗った。彼らは教理を理解しており、キリスト教徒の十戒を守って生活していた。神をたたえる「天にまします」や罪を悔いる「コンチリサン」などのオラショも暗唱することができた。神父は「フランスの信徒にも劣らない」と感心したという。

 1873年の信仰解禁から6年後、ド・ロ神父が外海に赴任した。貧しい人々のために尽くす神父の姿に出津の人々は大きく感化された。出津は多くの聖職者を輩出している。カトリックでローマ法王に次ぐ地位の枢機卿になった日本人は過去に5人いるが、そのうち田口芳五郎(よしごろう)、里脇浅次郎両大司教(いずれも故人)は出津で生まれた。

 出津教会堂の教会守(きょうかいもり)を務めるカトリック信徒の高橋渉さん(74)は「出津は人間がいい。加勢を頼めばすぐに協力してくれる協調性がある」と言う。長い迫害が終わり、出津は穏やかな「祈りの里」になった。バスチャンの予言は成就したといっていい。

◎メモ

長崎駅前から長崎バスで出津文化村バス停まで1時間15分。出津集落内には「出津教会堂」「旧出津救助院」「ドロ神父記念館」(以上国指定重要文化財)の各施設や、キリシタン資料を集めた外海歴史民俗資料館がある。出津教会堂の見学は、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター(電095・823・7650)に事前連絡が必要。

◎コラム/対立を超えた祈り

 出津集落には「かくれキリシタン」の組織が存続し、帳方(指導者)の木村友好さん(80)を中心に、「バスチャンの日繰り」を規範にした昔の信仰形態を守り続けている。

 出津の潜伏キリシタンは1867年の「野中騒動」をきっかけにカトリックと「かくれ」に分断された。プティジャン神父の来訪で信仰熱が高まり、発覚を恐れた庄屋の一派が、熱心に信仰していた家から聖画を盗み出し、大乱闘に発展したためだ。庄屋派は信仰解禁後もカトリックにならず、かくれ信者になった。

 2000年、カトリック黒崎教会が提唱し、「かくれキリシタンの聖地」といわれる枯松(かれまつ)神社(長崎市下黒崎町)で「枯松神社祭」が始まった。毎年11月3日にカトリックとかくれ信者、かくれ信仰をやめて仏教徒になった人々が集い、先祖に感謝の祈りをささげる。木村さんと黒崎かくれ組織の帳方、村上茂則さん(67)も参列し、オラショを奉納する。過去の対立を超えた宗教共存の祈りが聖地を包む。

【編注】高橋渉さんの高は、口が目の上と下の横棒なし





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