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 医療・福祉 (2017年9月11日更新)
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知的障害のある人の恋愛、結婚、子育て
知的障害のある人の恋愛、結婚、子育て 人生の先輩、そばで見守る
知的障害のある人の恋愛、結婚、子育て 人生の先輩、そばで見守る

 愛する人と一緒に暮らしたい。知的障害のある人のそんな願いをかなえようと、社会福祉法人「南高愛隣会」(雲仙市)の結婚推進室ぶ〜けが、恋愛や結婚、子育ての支援に取り組んでいる。ただ結婚はゴールというより、新たなトラブルさえはらむスタートだ。親の反対や子どもへの虐待を乗り越え、幸せになろうと生きる当事者を取材した。

■家族なんだな

 玄関から入ると白い壁にフローリング。室内は掃除が行き届いていた。原口達也さん(51)と妻の道子さん(48)、一人息子の和夫君(9)=島原市、いずれも仮名=がちゃぶ台を囲む。全員に知的障害がある。

 「結婚して良かったことは」と尋ねると、道子さんは「子どもの成長。嫌いなブロッコリーを食べられるようになった」とほほ笑む。

 一見、平凡な家庭に見える原口家。だが達也さんの暴力のため、夫妻は数年間別居していた。同会の支援もあって、また3人で暮らし始めた。別居中、食事時がたまらなくむなしかったという達也さん。ぽつりと言った。

 「3人で食事すると思う。家族なんだなあって」

 同会がぶ〜けを立ち上げたのは2003年。(1)異性との出会い(2)夫婦生活(3)子育て−について、障害のある人を支援するためだ。恋活パーティーや子育て家族の交流会などを年20回以上開いている。同居するカップルを定期的に訪問しては、夫婦生活や子育ての悩みを聞いて助言している。今では30、40代を中心に知的障害のある約190人が登録している。

 「本人の思いを大切にする」のがモットーだ。交際や結婚を保護者が認めないときは、ぶ〜け職員らが粘り強く説得する。ただ、付き合い始めたカップルがすぐに結婚することはまれにしかない。まずグループホームで共に暮らし、家計のやりくりや家事分担を経験する。相性が合わずに別れることもある。これまで39組が同居。うち24組が結婚し、結婚せずに6組が別れた。ぶ〜けはこれまで11人の子育てにかかわってきた。

 ぶ〜けを統括する松村真美(まみ)さんは、知的障害がある人を「未経験のことへの対応が苦手」と説明する。予想外のことが起きる共同生活では、虐待やドメスティックバイオレンス(DV)が起きる危険性があるので「困ったら助けを求められる相手が必要」と言う。

■夫婦でルール

 原口家の異変が発覚したのは、和夫君が生後半年のころ。家で息子と2人きりになった達也さん。目の周りが赤く腫れ上がるほど、息子の顔をたたいた。おむつを替えミルクをやっても、泣きやまなかった。

 達也さんは「ついかっとなった」と振り返る。「妻子はいつも布団の上。2人に背を向けてご飯を食べていた。なんだかずっと寂しかった」

 ぶ〜けなどが介入して達也さんは妻子と別居した。別施設で怒りのコントロールや、子どもが駄々をこねたときの対応を学んだ。妻子には、生活するグループホームの職員らが1日3交代で訪問。子育て経験のある職員が、道子さんに赤ちゃんの世話を手ほどきした。

 別居は5年に及んだ。そして4年前からまた、3人で暮らし始めた。

 グループホームで3人の生活を支援する宇土(うと)啓子さん(66)はぶ〜けと連携し、ほぼ毎日訪れ、悩みやすい達也さんの愚痴を聞いている。いざこざがあれば夫婦で話し合ってもらう。和夫君が熱を出せば病院に同行し、ほこりが家具に積もれば声を掛ける。道子さんは「人生の先輩がそばにいて安心」と信頼を寄せる。

 息子への暴力を「後悔している」という達也さん。「暴力を振るわない」「思いやりを持つ」など夫婦で決めたルールを守れたか、毎日妻らと確認する。最近、家族への八つ当たりはすっかりなくなった。

 道子さんは一度流産し、最初の子どもを生後数十日で亡くした。ミニカーで遊ぶ息子を、いとおしそうに見つめながらつぶやいた。

 「この子は宝物」

 達也さんは言う。「息子も恋をして、いつか温かい家庭を持ってほしい」

■交際から8年

 親の反対を乗り越え結婚したカップルもいる。

 「夫に一目ぼれだった。好きなところは全部」。小百合さん(59)=雲仙市、仮名=はほほ笑む。

 出会いは約30年前。障害がある人の職業訓練施設に共に通ったが、恋愛は禁止されていた。それから約20年後、小百合さんはぶ〜けに登録。職員を介して今の夫に「好き」と伝えた。そこから交際が始まった。

 しかし、小百合さんの親は反対だった。娘に障害があると認めず、障害がある男性との交際も受け入れられなかったという。

 幼少期から、髪形や進路などすべて「親の言いなりだった」という小百合さん。20代には親に反発して家出。人生に絶望し自殺を考えたこともあった。

 交際を認めない親を「恨んだし憎んだ」。交際を始めてから結婚するまでに8年を要した。

 「もっと早く結婚したかった。子どももほしかった」。朗らかな小百合さんが、寂しげにつぶやいた。

 夫妻は今、アパートで暮らす。配食サービスを使っており、夫が食器を洗い、小百合さんが拭く。

 今年の盆には2人で温泉に行った。そろいのキーホルダーを買い、色違いの携帯電話に付けた。結婚して3年が過ぎたが、今でも夫の帰りが待ち遠しい。

 「人生の中で、今が一番幸せです」

◎インタビュー/明星大特任教授 平井威氏/継ぎ目ない支援 全国に例ない

 南高愛隣会と共にぶ〜けの共同研究に取り組んだ平井威・明星大特任教授に意義や成果、課題を聞いた。

 −ぶ〜けの意義は。

 知的障害者は、親や施設職員に恋愛や結婚を「無理だ。早い」と反対されることが多かった。だが、住む場所や働く場所と同様に、結婚するかどうかも本人の意思を尊重するのが、近年の流れ。同会の田島良昭顧問は「美しい処女、童貞のままでいるな」と話している。恋愛や結婚をすれば、新たないざこざや苦労も生まれるが、そんな経験を経て人は大人になる。それが人生だ。ぶ〜けは恋愛から結婚、子育てまで継ぎ目ない支援をしている点で全国的に例がない。

 −ぶ〜けの特徴、成果は。

 人生経験が豊富で「おせっかい」な職員を担当に起用したのが効果的だった。付き合った2人がまずは数カ月間共に暮らす「生活実習」や、担当者による個別相談などの支援ノウハウを蓄積。子育て支援の実績も積み上げ、出産を望む当事者の声も受け止められる。

 −他の地域でも可能か。

 都会では、さまざまな法人が連携する横断的な仕組みになるだろう。恋愛や結婚支援は、公的な社会福祉協議会や小回りの利くNPOが主体となった方がいい。さらに、当事者それぞれが暮らすグループホームや働く企業、事業所などとの連携が必要になる。

 −家族の理解を得るための手だては。

 財産がからむ結婚や、新たな命が誕生する出産は家族で意見が分かれる。それらを棚上げして、まずは愛する人と暮らす「パートナー生活」を始めてはどうか。それには避妊方法など実践的な性教育が必要だ。





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