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障害者の18歳選挙権
スライドを使った選挙説明会で、積極的に挙手する生徒ら=諫早市多良見町、県立希望が丘高等特別支援学校
スライドを使った選挙説明会で、積極的に挙手する生徒ら=諫早市多良見町、県立希望が丘高等特別支援学校

県立桜が丘特別支援学校であった説明会で、真剣にメモを取る生徒ら=14日、東彼川棚町下組郷
県立桜が丘特別支援学校であった説明会で、真剣にメモを取る生徒ら=14日、東彼川棚町下組郷

 さまざまな障害のある子どもたちが通う県内の特別支援学校で、有権者としての自覚を育む取り組みが始まっている。特に知的障害は程度によって理解の深浅の幅が大きく、各校は生徒の特性に応じた教育方法を模索。「18歳選挙権」を機に動きだした主権者教育は、障害者にとっても政治参加を進める追い風となるか。教育現場や保護者、当事者の声から、現状や可能性を探る。

 障害のある生徒たちが思い通りの1票を投じるには、ちょっとした配慮が必要だ。

 軽い知的障害がある15〜18歳の生徒が通う諫早市多良見町の県立希望が丘高等特別支援学校(林田純雄校長、94人)で21日、選挙説明会があった。

 「投票できるのは何歳から?」「まちづくりには、どんな政策が必要?」−。山口弘晃教諭(25)の問い掛けに、生徒たちはうなずき、次々と手を挙げる。ある男子生徒からは「公約は果たされるのか」と鋭い質問も飛び出した。

 その一人、3年の田中梨沙さん(18)は「よく分かって勉強になった」と満足げ。既に事務職の内定をもらい、春には社会人としての一歩を踏み出す。政治には子どもが暮らしやすい社会づくりを求め、候補者やその考えについてもっと知りたいという。「公約を読むのは難しそう」と一抹の不安はあるが、「ちゃんと考えて、私も投票できるのが楽しみ」と笑みを浮かべた。

◇   ◇

 知的障害のある子どもたちは、抽象的な言葉の理解や初めて体験する状況での対応などが少し苦手。同校の場合、県教委や県選管などと協議を重ね、スライドで分かりやすく説明する独自の教材を作った。

 例えば選挙用語。公示・告示は「選挙についてのお知らせ」、選挙運動は「公約(約束)をアピールすること」などとかみ砕いて教えた。また、内容はできる限り具体化。18歳未満とは言わずに「15、16、17歳」と説明し、今後県内である各選挙と、その際に選挙権がある生徒一人一人の名前を表にまとめた。

 こうしたサポートの形は学校で異なる。説明会の見学に訪れた県立佐世保特別支援学校の山崎翔矢教諭(25)は「本校には言葉や文字で与えられる情報が分からない生徒もいる。さらに内容をかみ砕いて、体を動かすなど理解しやすい方法を考えたい」と話す。

 また県立桜が丘特別支援学校は、14日の説明会で、集団活動が苦手な生徒がインターネット電話「スカイプ」を通して別教室で受講できるよう準備。中山貴恵教諭(42)は「一目見ただけでは分からない障害は多く、それに対する配慮も必要」と語った。

 各校のアプローチは違っても、根底にあるのは「政治と生活のつながりを知り、自分にも世の中を良くする責任があると感じてほしい」(山口教諭)との思い。就労を目指す生徒にとって、高等部での特別支援教育は、社会に出る前に教育を受ける最後の機会となる。

 説明会の終わりに、山口教諭は生徒にこう語りかけた。

 「1票はとても小さい。でも皆さんの1票は、国を動かす大きな力になるんです」

◎ズーム/障害者と特別支援学校

 県障害福祉課によると、県内の障害者数の内訳は、▽知的1万3975人(2015年3月末現在)▽身体7万6986人(同)▽精神2万4614人(14年6月末現在)。また、視聴覚障害や知的障害、肢体不自由、言語障害、自閉症などの障害がある子どもが通う県立特別支援学校は、県内に17校(うち分校4校)と5分教室。高等部は12校3分教室にあり、767人(15年5月1日現在)が通っている。

◎ズーム/不在者投票

 病気や障害のため投票所に行けない人でも、指定を受けた病院や福祉施設などで投票することができる制度。県内には391の指定施設がある(15年10月現在)。また、一定の条件を満たす人には郵便による投票も認められており、県内では14年12月の衆院選で250人、12年12月の衆院選では302人が利用した。

◎ズーム/合理的配慮

 障害者が健常者と同等に暮らすために必要な対処。例えば、会議などで必要があれば点字資料や手話通訳者を用意することや、多くの人が利用する建物の改修・新築ではバリアフリー化に対応することなど。この「合理的配慮」を怠ることと、特別な理由なく健常者と異なる扱いをする「不均等待遇」は、14年4月に施行された「障害のある人もない人も共に生きる平和な長崎県づくり条例」の中で、差別として禁じられている。

◎投票/意思表示の貴重な機会

 障害のある人たちはこれまで、選挙や政治にどのように関わってきたのか。

 車いすでの生活を送る蒲原(かもはら)千春さん(32)=大村市坂口町=は一度棄権せざるを得なかった経験がある。

 脳性まひで生まれつき手脚が不自由。投票へ行くには両親の手助けが必要で、雨や風が強いと外出もままならない。棄権した日は、どうしても父親の都合がつかなかった。

 「本当に悔しかったですね」と語気を強める。

 日ごろ障害者が思いを伝える場が少ない中、蒲原さんにとって投票は「意思表示をする貴重な機会」だ。社会参加している自覚も得られる。両親も高齢になり、今後の生活には不安もある。しかし「変わらない、とあきらめたら終わり」。福祉の充実を求め、今は、知人に教えてもらった郵便投票で自宅から大切な1票を投じている。

◇   ◇

 障害者が投票する上でのハードルは、健常者よりもはるかに高い。県や県選管によると、障害者だけを対象とした投票率は集計しておらず不明。しかし、支援団体や行政の関係者らは「障害がない人に比べて低いはず」と口をそろえる。

 知的障害者には選挙公報や演説内容の理解、意思表示が難しい人もいて、子の投票をあきらめる親も少なくない。また、精神障害は人が大勢いる場所が苦手だったり、身体障害は投票所へ向かうのに誰かの補助が必要だったりする。

 ただ、長崎市手をつなぐ育成会の谷美絵理事長(64)は「障害者の投票の機会は支援次第で広がる」と言い切る。周囲が政治参加の可能性を奪うことがあってはいけないという。

 谷理事長の長男(36)は中度の知的障害があるが、20歳以降全ての選挙で投票。初めは不安もあったが、知っている名前や顔を選んでいるようで、選挙があると伝えると必ず「行く」と返ってくる。「自分では言わないけれど、投票することに自己肯定感があるのだろう」と語る。

 県障害福祉課によると、身体、精神、知的の障害がある人は、県内に約11万6千人。手話や音声による広報、投票所のバリアフリー化などは一定進んできた。今後について同課は「合理的配慮として、選挙の内容をどれだけ分かりやすく説明するか、どう意思をくみ取るかが行政や社会に求められる」としている。

◎インタビュー/長崎大大学院・西川崇准教授/追い風の中のスタート

 特別支援教育が専門で、教員としても現場で20年以上務めた長崎大大学院教育学研究科の西川崇准教授(45)に、障害者の政治参加の現状や課題を聞いた。

 −「18歳選挙権」を機に、障害者の政治参加が変わる可能性や期待は。

 これまで、特に知的障害がある生徒に対し、政治は学校であまり扱うことのなかった分野。学校での学習を通して、生活しやすい世の中に目を向け、権利を行使する意識が高まるという点では大きな意味がある。

 4月には、障害者差別解消法が施行され、行政や社会には合理的配慮の提供が求められる。追い風の中での18歳選挙権スタートだ。

 −知的障害がある場合、学校に求められる配慮は。

 選ぶ自由は自分にある、と丁寧に教えること。自己選択や決定は、選挙だけでなくさまざまな場面で必要な要素。まず身近なものの二者択一から始め、自分で選べるようにしていく教育が必要だ。

 −成人の障害者はどれくらい投票しているのか。

 正確なデータは持ち合わせていないが、福祉施設関係者によると「ある程度読み書きや意思表示ができる人が投票している」のが現状。行政などには、一人一人の理解力や発達段階に応じて、公約などを分かりやすく説明することが求められる。

【編注】

山崎翔矢教諭の「崎」は大が立の下の横棒なし





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