集団感染の長崎停泊クルーズ船 乗組員3日にも帰国 インドネシアの陰性者から

2020/05/03 [09:59] 公開

クルーズ船コスタ・アトランチカ(イタリア船籍、8万6千トン)

 長崎市の三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊中のクルーズ船コスタ・アトランチカ(イタリア船籍、8万6千トン)で新型コロナウイルスの集団感染が発生した問題で、県は2日、インドネシア国籍の乗組員のうち、感染していない陰性者が早ければ3日にも下船してチャーター機で空路帰国すると明らかにした。
 県によると、インドネシアの陰性者は61人で、このうち船の運営に従事する「エッセンシャルクルー」は16人。運航会社「コスタクルーズ」が、61人のうち何人を帰国させるか調整中という。
 複数の関係者によると、香焼工場から長崎空港まで貸し切りバスで移動し、羽田経由で帰国する方向で最終調整しているが、ルートについては流動的な要素も残っているという。
 県によると、下船時にはサーモグラフィーで体温をチェック。バスの中では運転手と乗組員の間をビニールシートで区切るほか、乗組員も互いに十分に距離を取って座り、1台当たり18人が乗るという。空港内でも一般客と接しないよう動線を調整。コスタ社の社員が同行するという。
 国やコスタ社などは、乗組員624人のうち、国別人数が多いフィリピンやインドネシアなどの陰性者についてチャーター機などを使った帰国を各国政府と調整している。