HISが支援判断を保留 企業再生支援機構活用案浮上で
ハウステンボス(HTB、佐世保市)再建問題が目まぐるしく展開している。支援断念に傾いている旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS、東京)は企業再生支援機構の活用案が浮上したことで判断を保留したが、更生計画の完遂が困難なHTBに残された時間は少なく、状況は依然厳しい。(HTB取材班)
「2日に支援断念を発表する予定だったが、動くに動けなくなった」。同機構活用案が浮上したのを受け澤田秀雄HIS会長は1日、記者団に来週、可否を決めることを明らかにした。
澤田会長は先月26日、HTBの施設修繕費が5〜10年で200億〜300億円必要で、想定の100億円を超えるとして「支援は困難」との見方を示した。佐世保市では澤田会長が支援に前向きとされ、25日にはHISのHTB再建プランの概要が議会に報告されるなど楽観ムードも広がっていただけに衝撃が走った。
HISと管財人、県、市は29日、打開策を探るため4者協議を開催。出席者によると、HISは「ハウステンボス建設費の3分の1程度が必要」と修繕費の詳細を示さず、具体的な追加支援も求めなかった。協議は進展せず継続を確認して終了。HISの可否決定は「厳しい判断になる」(市幹部)と悲観的な声が漏れた。
一方、山田正彦農林水産副大臣(衆院長崎3区)も同日、旧知の澤田会長を訪問。会長は4者協議を中断して会談。山田氏は可否判断の延期を求めるとともに、国としての支援を検討することを伝えたという。会談後の取材に「会っておいてよかった。(会長は支援を)断るところだった」と述べた。
山田氏は30日、市長に「地元から(国の支援を)要請してほしい」と連絡。市長は山田氏の仲介で前原誠司国土交通相が本県に向かっていたJR列車に佐賀県から同乗し“直訴”。前原氏は「企業再生支援機構を活用できないか、相談して取り組みたい」と表明。HISは判断時期を延期した。
地元の楽観ムードから絶望的観測、国の支援検討と事態は日ごとに急転。ただHTBは更生債権計62億円を毎年3月末に分割弁済する更生計画の完遂が困難な状況で、同計画変更などの手続き期間を考慮すると今月上旬ごろ、可否判断が必要とみられる。
澤田会長は2日までの取材に、ホテル閉鎖などで「修繕費は200億円もかからないかもしれない」としつつ、「施設は老朽化しており瑕疵(かし)担保保証が付くなどすれば理想だが難しいだろう」。さらに「企業再生支援機構は審査に時間がかかるし、間に合わない。県や佐世保市、九州財界、HISなどからあらたな打開策が出てこない限り、支援はできない」と話した。
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