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   喜々津港   (西彼多良見町)    


「船津ペーロン」の舞台
 「島回りができるのは、ことし10月2日の大会が最後かも知れんなあ」
 玄関先の庄屋島を見ながら、多良見町漁協組合長、島崎正一さんは船津ペーロン保存会長、白木春美さんに声を掛けた。
 海の神・竜宮さまに感謝して開かれる木床名船津地区のペーロン大会。300年以上の伝統を誇り毎年10月の第一日曜日が大会だ。沖合折り返しの一般的な競技に加え、庄屋島を舞台にした島回りで知られる。2隻のペーロン船が島を互いに反対方向に一周して早さを競い合う。県内でもここでしか見られないペーロン。
 喜々津港の中心に座る周囲1200メートルの無人島が庄屋島。人家が並ぶ船津海岸に最も近いところで30メートル。元は坊主島と前島の2つだったが明治時代に両島を埋め立て1つの島になったという。
 町は第九次漁港整備(平成6〜12年)で庄屋島を含めた喜々津港整備計画を立案。島周辺を埋め立て約1万6500平方メートルの公園を造成する内容だった。
 ところが、地区民が地域のシンボル的な島を崩されるのではないかと危ぐ、保存を要望した。「坊主島と前島だった部分は森ごと残すことで地区民も納得した。私も若い時、島回りペーロンに出たし、島への愛着は尽きない」と島崎さん。来年から庄屋島一帯の漁港整備工事が本格化する。「島回りも今年で最後だろう。競技会場を港外に移して島回り的なやり方ができないか模索中」と白木さん。
 島とペーロンへの地区民の愛着と郷愁が、大村湾ののどかな波とともに伝わってくる。

  メ   モ  
 喜々津港は多良見町役場など喜々津地区にある。庄屋島に面した船津海岸一帯には、150世帯、約500人が暮らす。町が計画している喜々津港整備では、埋め立てなどで公園や荷揚げ場、9メートルと12メートルの道路などの建設がある。多良見町漁協によると、組合員は喜々津、伊木力両地区合わせて170人。漁獲はナマコやイイダコ、養殖カキなど。

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