新長崎漁港   (長崎市)    


日本一の規模を誇る
 天然の良港・長崎港の湾奥部にあった旧長崎漁港に代わり、平成元年九月、長崎市三重地区を埋め立て新漁港が開港。角力灘に面した西彼杵半島の南に位置し、旧漁港からは北西15キロの距離にある。
 漁港としては日本一の規模。昭和48年に着工、総事業費約1,000億円を投入した。同地区は一昔前まで遠浅の海岸が広がる半農半漁の寒村だったが、長崎都市圏の拡大と新漁港の開港が相まり、都市化の波が押し寄せている。
 港の朝は早い。午前零時、魚市場の関係者は漁船の入港を前に準備作業に取りかかる。しばらくすると近海漁の小型漁船が続々と入港。港はにわかに活気づく。同5時、威勢のいい掛け声とともにタイ、ハマチなど近海物のセリが始まる。その後は底引き漁の漁船が入港、再びセリが始まる。
 水産県・長崎浮揚の切り札として大量水揚げを目的に建設した新漁港。しかし皮肉にも開港以来、水揚げは減り続けている。公海での漁場規制強化や資源の減少が要因だ。
 漁港関係者の間からは「都心部にあった旧魚市場と違い、市民に『魚』が見えにくくなってしまった」と旧漁港を懐かしむ声もある。だが、「せっかく整備された巨大施設を生かさぬ手はない。その施策をみんなで模索しているところ」と長崎魚市の坂田正文社長(当時)。
 巨額投資に伴う地域の変容、そして漁業環境をめぐる時代のうねり。「日本一の漁港」は角力灘の荒波にもまれながら、遠く東シナ海、黄海を見据えた「国際マリーン都市」づくりの道を模索している。

  メ   モ  
 岸壁の5,160メートル。土地造成面積約220ヘクタール。水産物の水揚げから流通、加工まで一貫した機能を持つ。第九次漁港整備計画(平成6年度〜11年度)でさらに規模を拡大する予定。昨年の総水揚げは約19万8000トン、761億6000万円。近年は中国漁船など輸入魚の水揚げ増加が目覚しい。

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