脇岬港   (西彼野母崎町)    


新、旧二つの顔を持つ
 三方を海に囲まれた漁業の町、西彼野母崎町。長崎半島の最先端に位置し、対岸の樺島と並んで古来、潮待ち、風待ちの船の出入りでにぎわったという脇岬港。
 新、旧二つの港を持つ同港では大、中型の一本釣り漁船、中型まき網船団、小型底引き船を中心に養殖、いそ建て網、タコつぼなど多様な漁業が営まれている。中でも一本釣り漁船は遠く台湾近海まで出漁、岬の漁師の心意気が今も脈打っている。
 御崎(みさき)観音と呼ばれ、信仰を集めている地区の古寺・観音寺の境内は江戸時代、長崎奉行所の目を盗み中国から禁制品を運び込んだ交易の場だったとされ、膨大な利益を得た中国商人が罪滅ぼしに寄進したという経堂が残っている。港に近い祇園山には当時、薬用として積んできた野アサガオも根付き、その群落は県の天然記念物に指定され、夏にかれんな花を咲かせる。
 一方、避難港として昭和27年から国が整備している新港には、延べ1300メートル、三基の防波堤もほぼ完成。その一角約46,000平方メートルを埋め立てて造成し、建設したフェリーふ頭からは鹿児島県阿久根市へ不定期の高速客船が就航している。造成地には同町漁協の活魚センター、町イベント広場などもある。
 外防波堤近くには水産加工場、製氷工場、冷凍倉庫など関連施設が建ち並び、民営の宿舎や世界の貝8,000種を集めた海洋博物館も人気を集めている。
 半面、港が狭くなり、夏の風物詩だった伝統のペーロン大会が取りやめとなり、往時を知る古老たちを寂しがらせている。

  メ   モ  
 旧藩時代、佐賀藩だったこの地区では毎年8月、八坂神社の夏まつりがある。まつりには呼び物の大名行列が繰り出し、勇壮な時代絵巻が人々を魅了する。
 同町の代表的な観光施設、県亜熱帯植物園も近くにあり、四季を通して県内外からの来訪者が多い。特産品として生きたまま届けられる各種の魚介類が一番の目玉。車で長崎市内から約50分。

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