かつて石炭、いまリゾート
長崎港・大波止から交通船に乗り込むと、船内は平日だというのに若者たちでにぎわっていた。話題の内容から、どうも島の人ではないようだ。波に揺られて約30分。オレンジ色の屋根のリゾート施設を右手に見ながら、船は伊王島港に接岸した。
かつて石炭でにぎわった伊王島は沖ノ島と伊王島の二つの島から成る。港はちょうど両島が接する所、長崎港と相対するようにポッカリと口を開けている。波止場に沿って周囲を歩いても5分かかるか、かからないかぐらいの小さな港だが、島民には大切な島の玄関口。地場産業の乏しいこの町では、本土まで通勤する町民も少なくない。朝、夕はそうしたサラリーマンや高校生たちを乗せ、交通船が行き交う。
だが、そうした生活くさかった港の匂いは、平成元年7月の第3セクター「ルネサンス長崎・伊王島」開業によって徐々に変わりつつある。
町民の足である交通船で島外からの大勢の若者たちがやってきて、テニスラケット片手に町を闊歩(かっぽ)する姿など以前は考えられなかったことだ。オープンと同時に建て替えられた港のターミナルビルも、しゃれた明るい雰囲気。湾内にはヨットや小型船舶が係留されている。
その港も、県が進める港湾改修事業によってさらに生まれ変わろうとしている。
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