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   奈留島港   (五島奈留町)    


活気あふれる町のかなめ
 五島列島のほぼ中央に位置する奈留島。海上以外に交通手段がないこの島にとって奈留島港は、フェリーや旅客船、漁船の往来でにぎわう町の表玄関だ。
 港の歴史は古く、遣唐使船や室町時代、貿易のため中国・明に行った勘合船などが寄港したといわれている。江戸時代の鎖国政策で寒村となるが、明治以降、漁港として栄えた。
 島内に9つの漁港を持つ奈留町は、五島でも有数の水産町。中でも中型まき網漁業は昔から町の基幹産業で、水揚げ高が町の盛衰を左右するといわれるほど。現在、各漁港を母港に10船団が操業している。
 まき網は、網船1隻、運搬船2隻、灯船3隻の計6隻で船団を組む。月の明かりで集魚灯が役に立たない月夜間(旧暦の13日から17日)を除き、毎日操業。夕方5時ごろ各漁港を出て、五島沿岸海域でイワシ、アジ、サバ漁などをする。
 漁を終えた船団は早朝、奈留島港に集まる。午前6時半、港に終結した船の上で町名物の「船上せり」が始まり、漁師や仲買人たちの声が飛び交う。こうして港の1日はスタートする。
 同6時55分、福江行きフェリーの始発便が出港、港の主役は漁船から旅客船に移る。夕方のフェリー最終便が入港するまで、港は福江、上五島、長崎を結ぶフェリー、高速旅客船、物資を満載した貨物船などが出入りを繰り返す。フェリーの入出港時には乗降客や荷降ろし、荷揚げをする作業員、下船客を待つタクシーなどで港は活気づく。
 奈留島港は交通、経済、生活など町のすべてのかなめとなっている。

  メ   モ  
 奈留町漁協の組合員は923人(3月末現在)で、町人口の約2割に当たる。同町は平地が少ないため、農業に適せず専業農家は全くない。同漁協所属漁船は643隻で、うち一本釣り漁船が438隻、中型まき網船61隻。同町は本年度中に、煮干しやカツオの薫製、みりん干しなどを作る大規模な水産物加工場を建設する予定。

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