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   三井楽港   (五島三井楽町)    


ブリの戻る日待ち望む
 「真西の風が吹き、震え上がるほど寒い日にブリは回遊してくる。一度くると何日も大漁が続いたもんだ」。三井楽町漁協長、白浜栄一郎さんは、日焼けした顔をほころばせ漁の話を始めた。
 真西から吹く風を三井楽の漁師たちは「ブリ風」と呼ぶ。ここ数年、不漁が続いているが、ブリ風が吹くと漁師たちは一斉に沖合に船を出す。
 三井楽港の沖合にある赤瀬は、東洋一といわれたブリの漁場。毎年、大量のブリが定置網にかかった。寒ブリは1匹十数キロの大物で、醤油(しょうゆ)が身に付かないほど脂がのっている。この寒ブリが一度に何千匹も水揚げされ、港はにぎわった。
 昔、石積みだった波止場は波がくるたびに壊れていたが、昭和30年代に埋め立て工事をし、被害は少なくなった。今は激しい北風にも耐えられるよう防波堤の工事も進み、丈夫な港に変わった。
 明治45年、長崎〜玉之浦航路の旅客船が就航、三井楽港にも寄港した。昭和3年からは三井楽町柏港と福江を1日1往復する小型旅客船も寄港するようになり、三井楽港は海上交通の要所としても活躍した。
 しかし、三井楽港の旅客船寄港地としての役割は長くは続かず、同32年までに同港に寄港する旅客船はなくなった。
 現在は定置網漁船をはじめ、一本釣り漁船、イカ釣り漁船など約370隻の母港となっている。白浜さんは「魚には周期がある。西風に乗ってブリはきっと戻ってくる」と話す。ブリが大量に水揚げされ、また港が活気づく日を三井楽の漁師たちは待ち望んでいる。

  メ   モ  
 三井楽の歴史は古く、万葉集「美弥良久埼」として登場。同町の北岸は遣唐使船最後の寄港地だったといわれている。港を見下ろす小高い丘には昨年完成した白良ヶ浜万葉公園があり、展望台や遊歩道など完備、町民憩いの場所になっている。港に隣接する白良ヶ浜は平成2年、数百匹のイルカが迷い込み大騒ぎとなった。

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