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   岩屋の観音   (上五島町)    


夢枕に立った観音菩薩
 青方観音岳の山頂付近にある洞窟に観音菩薩が祭られているが、里人は岩屋観音と称している。
 昔この山頂付近に毎晩のように明かりが見られるようになった。村人たちは「何の明かりだろうか、村に異変など起こらねばよいが」と不安におののき、寄ると触ると噂で持ちきりだった。
 そんなある晩のこと、長福寺の門永禅師という坊さんの夢枕に観音さまが現れ「吾を明かりの現れる地に勧請せよ、長く庶民をして安堵せしめん」と告げられた。同じ夢を三晩続けてみるに及んだ禅師は、あまりにも不思議に思われたので、早速山に登り生い茂った樹木をかき分けながら、それらしい場所を探し求めたところ、老木がうっそうと茂り昼なお暗い辺りに奇岩が重なりあい、東南に面したところは洞窟となり、縦に大きく裂けた入り口は狭いが奥まったところはやや広くなっていた。
 そこに佇まれた禅師は、いい知れぬ霊感を覚え「まさしくここぞ、夢枕に立たれた観音菩薩が告げられた聖地に間違いない」。確信して下山した禅師は、早速村人らと協議し、洞窟の入り口近くに聖堂を建立し、洞窟内と聖堂に観音菩薩を勧請して祭ったと伝えられている。
 聖堂に安置されている本尊は、聖観世音菩薩木造座像は室町時代の作であろうと伝えられている。さらに遅れて発見されたという別の洞窟があるが、そこにも観音さまが祭られている。
(浦 敏雄)

  メ   モ  
 新暦1月17日が大縁日であるが、前夜から始められ、町内外から多くの参詣客でにぎやかである。青方から車で5分、聖堂まで徒歩約5分かかる。青方から歩いて約20分である。

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