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   大宝砂打ち   (玉之浦町)    


砂撒き散らし魔はらい
 玉之浦町・大宝に伝わる民俗行事のことを「ずなうち」と呼んでいる。ただし、この呼び名は比較的新しいもので、地元では「まつり」といったほうが分かりやすい。秋まつりのことであるが、その祭りの御神幸行列の最後尾について、魔はらいのため砂を誰かれなく打ちつけて回る砂鬼から「砂打ち」の呼称が出ている。
 旧暦九月二十八日から二十九日に行われる事代主神社の祭りは、村の神様を権現様といい、権現祭りともいっていた。
 この祭りで、前日は宵宮に神楽が奉納される。夕方から神事が行われ、その後、十時ごろまで大神楽がある。ここで神楽舞と呼んでいるのは五島神楽であるが、本来なら四十八番もの上演曲目がありながら、実際は二十一番が行われている。
 翌日の十時ごろから「村回り」がある。これが御神幸である。ただし、神輿はなく、依代と思われる御幣などの行列である。その中で特に注目されるのは、メヤマと呼ばれる女性の捧げ持ち、掛けいお(魚)、ふたつが(鍬)、とんが(唐鍬)、杵、いねかたむ(担げ)という生業にかかわる諸道具を持った人が行列に加わることである。これを所々で使用する仕草をして、その前後に砂鬼が砂を撒き散らし、見ている人にまで打ちつけるのである。
 行列には太鼓や笛も付き、祭り気分は村中に溢れるが、さらに砂鬼が沿道の人々を追いかけ回すことから、いっそう盛り上がることになる。
(立平 進)

  メ   モ  
 大宝は、福江島の南西に位置する玉之浦町のほぼ中心にあり南向きの海岸に面した農業と漁業の村である。昭和54年、記録保存の措置を講ずべき無形の民俗文化財として国に選択されているほか、同57年、県指定無形民俗文化財になっている。

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