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   下崎山へトマト   (福江市)    


極めて珍しい民俗行事
 一月十六日の小正月、この日は全国各地でいろんな民俗行事が行われる。その中でもこのへトマトは、極めて珍しい民俗行事といえる。次のような内容と順序で行われる。
 今は子供の相撲のみになったが、以前は、白浜神社の境内で宮相撲(奉納相撲)が行われた。
 次に懐妊していない新婚の女性が、華やかな着物を着て酒樽の上にのって羽根つきをする。羽子板が羽根を打つときに出すコーンという音が大事らしく、勝負にはこだわらない。
 さらに舞台を砂浜の海岸に移し、地元の青年団と消防団に別れ、フンドシ一つの姿で体中に「ヘグラ」と呼ばれるかまどのススを塗りつけあい、藁で編んだ玉を奪い合う「玉けり」が勇壮に始まる。
 その後、代表的民俗行事である「綱引き」がある。豊作と大漁を祈願したものだという。
 最後に三メートルもある大草履をかついで、山城神社へ奉納してヘトマト行事は終わるが、その道中、若い女性をつかまえては、大草履の上に乗せ胴上げをする。
 このように豊作、無病息災を祈願する小正月の民俗行事(年占い)が混合している例は珍しく、勇壮にして、情味豊かな行事である。
 ヘトマトの由来については定説がない。おそらく回数を重ねるうち付け加えられる行事が長い年月を経て今日のような姿になったものと思われる。
(松崎 義治)

  メ   モ  
 昭和62年1月8日、国の重要無形民俗文化財の指定を受ける。
 小正月の1月16日、白浜海浜公園を舞台にくり広げられる。
※付近に白浜貝塚がある。

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