舞いつなぐ 第11回YOSAKOI祭り
▲3▲
MCボランティア講師
諸岡龍明さん(42)
 若者にアナウンス指導

祭りを生む人材を

 「笑顔は癖にすればいい、トイレで(便座の)フタを上げるみたいになっ」−。佐世保市山県町のビル一室で開かれたMC(司会)ボランティア講習会。諸岡龍明さんのユーモアを交えた助言が飛び、会場はにこやかで張りのあるアナウンスで満ちた。

 集まったのは大学生ら若者を中心に約五十人。本番に二人一組で会場を盛り上げ、円滑に進行する役だ。チームの紹介や、演舞の間をつなぐトークの練習を何度も繰り返した。

 二十二歳で大学中退後、“裸一貫”で上京。約十年、芸能プロダクションに所属。「一ステージ五百円のギャラ」で漫才や音楽の修業を積み、芸能界に活躍の場を求めた。

 YOSAKOIさせぼ祭りと出合ったのは一九九九年。地元で活動しようと戻った翌年だった。市内でロックバンド活動中に実行委メンバーらの目に留まり、楽曲制作を依頼された。祭りのモデルとなった札幌のYOSAKOIソーラン祭りのビデオを見た。躍動する和のリズムと、ダンスの融合。「これは、面白い」。曲想がひらめいた。

諸岡さん
学生らMCボランティアにユーモアを交え助言する諸岡さん=佐世保市山県町
 二〇〇〇年のさせぼ祭りでは担当したチームが見事、大賞に輝いた。そして〇一年、竹本慶三委員長に誘われ、実行委の一員に加わる。「祭りを伸ばそうと、真剣に楽しんで取り組む大人の熱いパワーに引かれたから」という。

 芸能活動で学んだのは人を思いやる力を持つこと。漫才もMCも見られるのが仕事。自分の振る舞いが他人にどう思われているか、気付くことが大切だと考えている。だからこそ、講習会では「一言一句を大切に」「笑顔、あいさつ、返事が基本」「姿勢を伸ばして」と若者らに直言する。

 受講生の一人、長崎県立大三年の井上森彦さん(21)は「仲間の恋愛や就職の相談にも乗ってくれます。生き方を学んでいます」。講習会を受け、大学を卒業した三人が現在、実行委員として祭りを支えている。

 「ぶつかり合う若い個性で、この街に化学反応を起こしたい。祭りを生み出す人間を育てたい」。諸岡さんは、祭りの末永い発展を見据えている。


2008年10月23日長崎新聞掲載