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街 育  財政面も「市民主導」で

 YOSAKOIさせぼ祭り実行委に思わぬ落とし穴が待っていた。準備を進めていた九月、予算の見直しを迫られたのだ。本番を十月下旬に控え、ぎりぎりの時期。会場設営、照明、広報などの費用を減らした。結果、メーン会場ステージの高さは昨年の六十センチから二十センチになる。

 実行委の運営費約六千万円のうち三分の一は地元企業の協賛金が財源。その企業の中には親和銀行がふくおかフィナンシャルグループと経営統合したあおりで、九州親和株で損失を受けた企業や商店主は少なくなかった。予算変更の要因は、協賛金が目標の八割にとどまったためだった。

 同じような祭りが各地で開かれる中、させぼ祭り実行委の竹本慶三委員長(57)は「市民主導」が特徴だと言う。一方で財源の四分の一が県、市の補助金で賄われていることから「財政面でも行政や企業だけに頼らないようにしたい」とし、二つの具体策を示す。

 その一つが昨年からメーン会場に設置した有料観覧席。高知のよさこい祭りや札幌のYOSAKOIソーラン祭りではパレード会場を挟むように桟敷席や観覧席がある。佐世保でもこの数を増やし、見る人に資金面の協力を求める案だ。

昨年のアーケード会場
昨年のアーケード会場。街の活性化に向け、市民主導から市民総参加への発展が課題だ=佐世保市島瀬町
 もう一つは一口千円を寄付してもらう市民サポーター導入。今年は協力者に配るバッジ千個がなくなる勢いだという。

 「よさこいは人が街を活性化させる“街育”の手段」と強調する竹本委員長。「祭りを盛り上げ、街を元気にしたい気持ちを持つ市民が取り組むからこそ、気配りができ、いろんな点に気付く」と胸を張る。

 親和経済文化研究所によると、させぼ祭りの経済効果はここ数年約二十億円で推移。祭り期間中は市内ホテルはほぼ満杯で宿泊を断られるチームもあるという。

 だが同研究所が実施した佐世保市民アンケートで、佐世保を観光都市と認識している市民は七割だった。島浦誠主席研究員(45)は「移動手段や案内など身近な課題を解決すれば、祭りも、経済効果も大きくなる」と述べ、市民のもてなしの心の大切さを指摘する。

 十回を数えるYOSAKOIさせぼ祭りが伝統行事に発展するには、より多くの市民を巻き込み、にぎわいに結び付ける仕掛けが求められる。


2007年10月26日長崎新聞掲載