佐世保市の秋を代表する「YOSAKOIさせぼ祭り」は今年10回目。1998年にわずか6チームで始まったが、今では約140チーム約7000人の踊り子と、約26万人の観客を集めるまでに発展した。26日の開幕を控え、祭りの原動力に着目するとともに今後を展望する。(佐世保支社・原口司)

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ぶんぶんジュニア隊  踊る楽しさ次世代に

 「構え」「はっ」。インストラクターの川上のぶ恵さん(30)が声を掛けると、二歳から小学生までの踊り子たちがひざを床につけ、視線を落とす。真剣な表情。YOSAKOIさせぼ祭り実行委が企画した「ぶんぶんジュニア隊」だ。

 節目に当たり、実行委は次の十年を見据えた。「二十回目を迎えるとき、果たして次の世代に祭りを引き継ぐことができるだろうか」。そして一人でも多く、踊り好きの子どもを増やすことが未来への第一歩と考えた。

 当初、子ども大会開催を計画した。だが、少子化の上、子どもは塾や習い事などに追われ、踊りたいと思う子は既に一般のチームに入っている。学校単位での参加の可能性を探り市教委側に打診してみたが、「先生は行事に追われ忙しい」。断念せざるを得なかった。

 そこで「まずは踊る楽しさを味わってもらおう」と企画したのがジュニア隊。八月から募集すると地元だけでなく長崎市などからも反響があり、合計約百人が集まった。

ぶんぶんジュニア隊
鳴子を手に元気いっぱいの「ぶんぶんジュニア隊」=佐世保市潮見町、山澄地区公民館
 初めて踊る子がほとんど。佐世保市立潮見小四年の松尾遥香さん(10)は「見ていてかっこいいと感じていたけど、参加する機会がなかった。みんなで動きがそろうとうれしい」と目を輝かせる。

 隊の楽曲は「さぁさみんなでどっこいしょ」。させぼ祭りのモデルとなった札幌の「YOSAKOIソーラン祭り」で総踊り曲を担当する宮本毅さんが趣旨に賛同し制作。ソーラン節を織り交ぜ、囃子(はやし)や太鼓の音が響く内容だ。

 川上さんは「自らやりたいと集まった子どもばかりなので覚えが早い」と喜ぶが、来年以降もジュニア隊を組織するかは未定という。「(実行委の支援で)費用の負担が少なく、拘束される期間も短かったのでこれだけ集まったのかもしれない。ジュニア隊で踊った体験がきっかけになってほかのチームに入ってもらえれば」と期待を込める。


2007年10月23日長崎新聞掲載