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実 情  真の「市民総参加」へ


 「高知や札幌のまね事じゃないか」。竹本慶三YOSAKOIさせぼ祭り実行委員長の耳には、厳しい声が伝わってくることもある。

 「批判は真摯(しんし)に受け止めたい。だが反論もある。今まで、佐世保らしい祭りはあったのか」

 竹本委員長とよさこいの出合いは四年前。地元の仲間らと北海道札幌市で開かれた「YOSAKOIソーラン祭り」を視察。「魅力的な祭りだった。踊り子の表情が輝いていた」。心底感動した。

 その年の佐世保の「おくんち」。札幌に行った仲間が所属する上京町は、「よさこい」を取り入れた踊りで出場。その後、ダンスバトルからYOSAKOIさせぼ祭りへ発展。勢いは、一気に加速した。

「踊って初めて、感動できた」。踊り子たちの感動は純粋だ
 今年は、来年の市制施行百周年をPRする「させぼ飛躍年隊」も結成。全国各地約六十カ所、中国・大連市でも踊った。「『佐世保に行ってみたい』と思ってもらいたい」との一心で、踊り子たちは、懸命に頑張った。

 「市民総参加」。YOSAKOIが語られるとき、この言葉がよく引用される。市民が中心になって始めたYOSAKOIさせぼ祭りは、ふるさとの活性化が狙いだった。竹本委員長は「町を元気にしたい。その中に感動があればもっといい」と願う。

 「踊って初めて、感動した。踊り子も観客も一つになって、喜びを共有できた」。踊り子の一人、同市上本山町、会社員、神山秀美さん(49)は、よさこいのとりこになった。

 市民に認知されつつあるYOSAKOIさせぼ祭り。しかし、「一部の人の祭り」「同じような踊りばかりで、金太郎あめのよう」「うるさいだけ」―など、いまだ冷ややかな見方があるのも現実。真の意味で、「市民総参加」の祭りにするための課題は、まだ多い。
(11月2日掲載)


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