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 佐世保市内で二日から始まる「させぼ祭り」(同祭り振興会主催)のメーンイベント「YOSAKOIさせぼ祭り」が三、四の両日開かれる。四回目となる今年は県内外から六十六チーム約五千人が参加、盛り上がりをみせる。だが、従来の「『おくんち』させぼ祭り」は、今年から「おくんち」と分離し「させぼ祭り」になったほか、今後の資金繰りなどをめぐり、新たな課題も出始めている。広がりの中、祭りの行方はどうなるのか。YOSAKOIの“舞台裏”を探った。(佐世保支社・平古場富美)

分 離  初の“奉納踊りなし”


 毎年十一月一―三日に開かれる亀山八幡宮の「おくんち」。今年は踊り町の奉納踊りがない初の「おくんち」となる。

 本来なら常盤、山手など計七カ町が踊りを奉納するはずだった。「若い人たちがよさこいに流れていった。寂しい限り」。関係者(58)はため息交じりに嘆いた。

 それでも、七カ町の一つ、京坪町は昨年末から若者が楽しめる出し物を模索した。だが課題も多く、実現できなかった。

 「『おくんち』させぼ祭り」活性化のため始まった「YOSAKOIさせぼ祭り」。「軒下を貸して母屋をとられた格好だ」。同町自治会役員(59)がこうぼやく。

今年、亀山八幡宮の「おくんち」には、踊り町の奉納踊りがない。一方で、「YOSAKOIさせぼ祭り」は急成長を遂げる
 鮮やかな衣装とメーク、観客に注目される喜び―。「自由に踊れるにぎやかな祭りの方が楽しい」。よさこいは若者たちの心をつかんだ。

 遠方からの参加者を確保するため、週末に開きたいYOSAKOIさせぼ祭り。神事を守り続ける亀山八幡宮。「地域間交流のためには、週末開催しかできない」(YOSAKOI)。「歴史だから」(八幡宮)。両者の認識はずれたまま。

 今年、亀山八幡宮のお旅所は、名切お祭り広場から松浦公園に移動。従来通り、氏子らによるお下り、お上り行列、湯立神事をする。

 規模を拡大し絶好調にみえるYOSAKOIさせぼ祭り。よさこい人気のあおりで、若者たちを中心に存在が薄れつつある「おくんち」。急成長を遂げる祭りは、既存の祭りに「負」の側面をもたらしてもいる。
(11月1日掲載)


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