本家の誇り支える信頼
「宝塚歌劇団のレビューのように観客を飽きさせない」。龍踊りの総監督を務める山下寛一さん(54)は、長崎くんち本番へ向け自信をのぞかせる。
戦後、くんちの復興に尽力し、くんちの「生き字引」ともいわれた故誠氏の長男。総監督を務めるのは初めてだが、特別参加を含めくんちに出るのは実に十四回目になる。
百二十二年の伝統を持つ諏訪町の龍踊り。諏訪神社の使いが白蛇であることに由来し、一八八六年に初めて奉納。以来、伝統の本筋を守りながら双龍や子龍、孫龍を生み出すなど新趣向の演出を取り入れてきた。
今回は龍方が二回連続で入れ替わる新技「ダブル棒交代」にも挑戦する。高度な技は、基本がしっかりしていないとできないという。「基本を固めるまでが何よりも難しい。演技はそれからだ」として、八月から始まった練習では、棒振りなど基本動作の徹底的な反復を指示した。
もう一つ欠かせないのが出演者同士の意思疎通。「すべての棒はつながっている。一人がスタンドプレーをすれば全体がうまくいかない」と話す。意思疎通を図るには、一緒に練習するしかない。皆、仕事を抱え、練習に参加するのも大変だが「全練習の三分の一を欠席したら辞めてもらう」とのおふれを出して、一体感を図るのに力を注いだ。
子どもから大人まで総勢二百人以上が出演する諏訪町。山下さんは、くんちに参加するのは「生まれ育った故郷への恩返し」だと言う。七年に一度の熱い思いを乗せた龍が喝采(かっさい)を浴びる日はすぐそこだ。
2008年10月2日長崎新聞掲載
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