まちは躍る、秋を彩る 2008長崎くんち
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オランダ万才(新橋町)

 万歳役の染葉さん 才蔵役の勝丸さん



本家の誇り支える信頼

 南蛮服姿にうちわを持った万歳とピエロ姿に鼓を持った才蔵が踊り馬場を跳びはね、軽快に駆け回り、コミカルな掛け合いを見せる新橋町のオランダ万才。万歳役の染葉さん、才蔵役の勝丸さんは長崎検番の芸妓(げいこ)。プロとしての誇りを胸に登場する。

 オランダ万才は、日本に流れ着いた二人のオランダ人が、生計を立てるために万歳を覚え、家々を回る様子を表現したもの。もとは日本舞踊の花柳流が一九三三年に創作した新作舞踊だが、長崎くんちでは、五一年に新橋町が初めて奉納。同町はいわば“オランダ万才の元祖”だ。

 二人は本踊りでくんちに参加したことはあるが、オランダ万才は初めて。「日本舞踊であって日本舞踊でない」。勝丸さんはオランダ万才の難しさをそう表現する。「普段使わない手足の動き。三回踊れば息が上がる」。特に眠りから覚めた後の場面は、息つく間もなく激しい動きが連続する。間合い、目線、表情など細部にもこだわる。「本家としての町の誇り、期待を感じる。くんちでの踊りは重みが違う」と話す。持久力をつけるためウオーキングや水泳にも取り組んだ。

 普段から一緒に買い物に行ったり、遊んだりする仲。お互いの関係について勝丸さんは「長年、一緒に踊ってきた親友であり、妹のような存在」と言い、染葉さんは「頼りになる姉のような存在」と話し、互いの信頼関係の深さをうかがわせる。

 万歳と才蔵が踊りの随所に見せる掛け合いが見どころであり、最も難しい場面。息が合わないと面白さを表現できないが、二人の息はぴったりだ。

 本番では一番手として奉納する新橋町。諏訪の森に注ぐ朝日を受け、プロとしての本領を発揮する。

【編注】染葉さんの読みは「そめは」。勝丸さんの読みは「かつまる」

2008年10月1日長崎新聞掲載