平成21年
長崎くんち
  踊り町と出し物紹介

2009年5月31日長崎新聞掲載


上町  傘鉾・本踊り

上町

 くんち奉納踊りの一番手で諏訪の森を飾る。踊りの演目は「伊達競(だてくらべ)」。長崎検番の芸妓(げいこ)があでやかに舞う。振り付け指導は花柳輔芳師匠。
 傘鉾(かさぼこ)や本踊りの絵を配したデザインの手ぬぐいを作製。長崎検番との「結納」も4月10日に済ませた。
 同町は自治会副会長を10人置いている。若い人にくんちの要職を経験させることで次代へつなぐ考えからだ。住宅が多く商店が少ないため、人数集めに苦労しながらも伝統を絶やさないという心意気が伝わってくる。

上町 自治会長 高田隆さん(68)
 私にとって8回目のくんち。5カ町では物足りないと思っていた中、踊り町が6カ町になりうれしく思う。くんちの本踊りは、ほのかな色気とつやっぽさが必要。プロとして自信を持って踊る長崎検番。ほかでは決して味わうことはできない魅力を感じてほしい。





元船町  傘鉾・唐船祭

元船町
 かつて海外の窓として、町内の大波止に多くの外国船が寄港していた元船町。その故事にちなんだ唐人船を、16人の根曳(ねびき)衆が豪快にひき回す。さらに囃子(はやし)で使う楽器は担当者が中国まで出掛け、実際に耳で選んだこだわりよう。藤間金彌師匠が指導する舞とともに、異国情緒豊かな奉納踊りを披露する。
 今回は傘鉾を新調。昭和26(1951)年の初出演時のオリジナルデザインを再現しつつ、新しく垂幕(たれ)に鶴を加えた。“鶴の港”から、諏訪の杜に鶴が舞い上がる。

元船町 自治会長 澤本国治さん(65)
 根曳衆が中心になって「お旅所を守る会」をつくり、結束を深めながら町の伝統を守り続けている。特に今回は、町全体が原点に戻り一致団結して頑張ろうと、新しい傘鉾を元の形にした。品のある奉納踊りをモットーに、次の世代へとつなげていきたい。




今籠町  傘鉾・本踊り

今籠町
 昭和27(1952)年以来57年ぶりに本踊りを奉納する。さらに同町の傘鉾の奉納は、昭和6(1931)年以来78年ぶりとなる。
 半世紀を超える空白を埋めようと、一昨年と昨年、青年部のメンバーらが踊り町を手伝い、くんち出演のノウハウを学んだ。同町くんち奉賛会の名誉会長は町内に店舗を構える歌手のさだまさしさん。踊りの指導は同町の花柳輔芳師匠が担当。新旧住民が一丸となり、本番への意欲を燃やしている。

崇福寺通り 今籠町内会長 岸川潤二さん(73)
 新しい住民の皆さん方を中心に、年々出演への機運が高まり、青年部を立ち上げてさらに結束が強まった。派手さはなくても、くんちの原点に立ち返るような演技を披露したい。復活した今籠町を見てほしい。

 【編注】写真提供・崇福寺通り今籠町内会




鍛冶屋町  傘鉾・宝船・七福神

鍛冶屋町
 豪華絢爛(けんらん)な「宝船」が、優美で勇壮な演技を披露する。“金銀さんご”をかたどった飾物(だし)は、半世紀以上前に制作されたもの。正絹(しょうけん)の帆布をはじめ小判やさんごなどの飾りは、色あせず当時の輝きを残している。
 根曳衆の着物はすそに「波」、右肩に「打ち出の小づち」の絵柄をあしらった丹後ちりめん。
 七福神の本踊りは、藤間金彌師匠が振り付けを担当。傘鉾にもからくりがあり、見どころは盛りだくさんだ。

鍛冶屋町 自治会長 平野國廣さん(72)
 制限された時間の中で「傘鉾」「七福神」「宝船」の時間配分を調整して、最高の演技をお見せできるよう努力していきたい。出演者の結束も固く、意欲も満々。まずは小屋入り本番が好天に恵まれるよう祈りたい。




油屋町  傘鉾・川船

油屋町
 昭和48(1973)年に初めて川船を披露した際には曳(ひき)物の中で最初に左回しを披露し、2回目には根曳唄を加えるなど、毎回新たな挑戦を続けている。数ある川船の中でも、油屋町の心意気は途切れることのない動きと囃子。逆巻く川に立ち向かっていく船の姿は、不況の荒波にさらされる長崎っ子の気分を盛り上げてくれるはず。
 幕末の貿易商、大浦慶が寄進した傘鉾の垂幕を今回、原形通りに復元して新調。慶は坂本龍馬とも親交があったという。“龍馬が見たかもしれない”傘鉾にロマンも広がる。

油屋町 自治会長 豊田宗雄さん(76)
 景気の悪化で暗いニュースが続くが、長崎っ子にとって、くんちは元気の源。今回、油屋町では傘鉾の垂幕を新調し、さらに今籠町が57年ぶりに奉納するという明るい話題もある。幹事町として6町を取りまとめながら、一丸となって不景気風を吹き飛ばしたい。




筑後町  傘鉾・龍踊り

筑後町
 龍が「金の玉」を追って躍動する姿と隠れた玉をとぐろを巻いて見回す姿。その「動と静」が見どころの龍踊り。
 筑後町ならではの青龍2体、白龍1体の計3体が勇壮に舞う姿は圧巻だ。今回は白龍と青龍1体を新調。白龍は従来の8人持ちから10人持ちへと大型化。一層の迫力が期待できる。
 龍衆の平均年齢は36・5歳。前回より10歳以上若返った。遠くは佐世保、大村などから龍衆が集結。囃子方と合わせると120人近くが出演予定。抜群のチームワークで祭りを最高潮へと導く。

筑後町 自治会長 持永悟さん(73)
 昭和48(1973)年の初参加のときから出演。前回は総監督を務めた。今回は大型化した白龍が青龍2体と並ぶ姿は絵になると思う。龍衆は現在、エアロビクスなどを通し体づくりに励んでいる。これまで以上の迫力でくんちファンを驚かせたい。




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