
「伝統を絶やすわけにはいかない」。この思いに突き動かされ、西古川町がくんちに戻ってきた。
「櫓太鼓」は相撲場や歌舞伎劇場で開場または閉場を知らせるため、櫓の上で打つ太鼓。江戸時代、相撲の本場所は五場所あり、九州での巡業は長崎だけ。この興行を仕切っていたのが同町。町内には、初代横綱の明石志賀之助の流れをくむ力士も住んでいたという。相撲と縁が深いことから、一八二一(文政四)年に初めて櫓太鼓を奉納。だが、決して平たんな道のりではなかった。今回は十四年ぶりの出演だが、実は前回も櫓太鼓としては三十六年ぶりの復活。当時は指導者もなく、残されていた録音テープから耳で学ぶ苦労を重ねた。今回は前回出演時のビデオを参考にし、相撲甚句、櫓太鼓、弓取り式、本踊り「諏訪舞晒三番叟」を披露。伝統はつながれていく。
西古川町自治会 会長 山下康一さん(59)
かつて町内に、櫓太鼓の名人がいました。録音テープが残されていますが、今聞いても大変素晴らしい。この音に少しでも近づけるように、猛練習を重ねています。伝統を失わないためにも、町一丸となって頑張りたい。
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