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失業者 引っ越しする金なく

 閉山で職を失った炭鉱関係者は千二百七十人。うち約半分の六百四十一人は下請け会社従業員だった。その中で、就業期間が短かったため短期間の雇用保険しか受給できなかった人の救済措置として外海町は、池島からの引っ越しで出たごみの分別作業や島内の草刈りをする失業者対策事業を実施している。

 家族五人で島の町営アパートで暮らす四十代の男性も対象者の一人。下請け会社で掘進などの仕事に就いていた。雇用保険(半年)が切れた後、就職促進手当が支給される炭鉱離職者求職手帳(黒手帳)がもらえる就業日数にわずか十八日足りなかった。

 「島から引っ越しするにも仕事ば先に探さんといけんけん、たまに職業安定所に行っている。けど、求職があっても雇い入れ先は若い人ば優先する」とこぼす。

 草刈りの日当は当初一万二千円だったが今は七千五百円。週四日の仕事を目いっぱいしても月に十二万円。雨が降れば作業は中止になり収入は減る。先月は九日しか働けなかった。


失対事業で草刈りに取り組む元炭鉱マンら=西彼外海町池島
 「よかねあんたたちは。遊んで金ばもろて」と皮肉を言う住民がいれば、「たかが草刈りやろが」と開き直ってさぼる失業者もいる中で続けている。「自分は草刈りでもきちんとした仕事をしたい。草を刈った後に『きれいになった、ありがとね』と感謝されるとうれしい」

 「引っ越しをするには最低三十万円は要る。加えて二、三カ月の生活費を持って出なければ不安」。男性は大阪、名古屋方面で仕事に就きたいと思っているが、毎月の生活費が草刈りの収入を超える月もあり、焦燥感は募る。

 男性が住む町営アパートの家賃は六千円、一人当たりの水道料金は四百三十円の固定(いずれも月額)。一番安い町営アパートは家賃が四千円。島で生活しながら仕事探しをする人が多い半面、失対事業にも就かず職を探す意欲がない人がいるのも現実。

 西彼西福祉事務所によると、池島の被生活保護世帯は十世帯十一人(十一月一日現在)。閉山時は十六世帯二十八人だった。同事務所の永石和寛所長は言う。「働く能力があるのに働かない人がいる。ぶらぶらしないで働きなさいと指導をしてはいるが、『引っ越しの金がない。金を貸してくれ』と切り返されることがある」

 県や町の社会福祉協議会にそういう人向けの貸付制度があるが、利用目的などの条件に当てはまらないケースが多いという。

(2002年月11月27日掲載)


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