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社会基盤 急速に進む縮小・再編

 閉山前、池島には外海町消防団の三つの分団があり、炭鉱マンら合計六十七人が団員として万一に備えていた。その組織はなくなり、四人が二人一組で二十四時間交代で勤務する長崎北消防署池島派出所が頼り。

 古くからの住宅街・郷地区で昨年一月十八日、住宅など十八棟を焼く大火があった。住民にとってその記憶は新しく、消防組織整備の願いは強い。国の炭鉱技術移転事業を担当する三井松島リソーシス社員の消防団経験者を中心に、組織再編が進められている。約二十人を目標に、既に十二人のリストアップを終えた。

 松島炭鉱が運営していた池島鉱業所病院は三月に閉鎖され、その施設を外海町が借り上げ医師一人、看護師二人、事務員一人の四人態勢の診療所として再開した。ここに山道幸雄町長に請われ、前任地の五島・椛島から移ってきたのが菅井健二医師(77)。南極観測隊の同行医師を二回務めるなど異色の経験を持つ。診療所の設備、管理状況を「ポンコツ病院」などとけなし、嘆く様子を見せながらも「こぢんまりとしたいい診療所にしたい」。


入居者もまばらになった炭鉱アパート=西彼外海町池島
 一日の患者数は平均八人。高血圧、糖尿病など慢性疾患が多いという。看護師は島外から通勤。夕方以降、島には菅井医師しかいなくなる。「手術が必要な緊急事態が起きたら住民に手伝ってもらうさ」。冗談とも本気とも分からない菅井医師の言葉が、島の今の医療態勢を言い当てている。

 島民の生活に欠かせない水。炭鉱の造水施設からの供給は三月いっぱいでストップ。現在、町がチャーターした給水船が本土から一日に千五十トンを運んでいる。本土からパイプで送水する計画で、水道管の海底敷設が九月ごろには完成予定。島内では漏水が目立った敷設管の取り替え工事が進む。

 「炭鉱アパートの家賃が四月から十倍以上に跳ね上がった。炭鉱の社員じゃなくなったから仕方がないけど、もう少し温情があってもいいのにね」。六店が営業するだけになった池島総合食品小売センターで出会った主婦がこぼした。出費負担を抑えるため、格段に安い町営アパートに移った人もいるという。

 人の出入りもまばらになった池島公民館で二十八日、県営住宅の入居者募集の抽選があった。長崎市区二十二戸、佐世保市区二十戸の募集に対しそれぞれ十人しか応募がなく全員の入居が決定。先に島を出た同僚たちが暮らす住宅を望む声が多かった。

 閉山直後に破たんした松島炭鉱信用組合が二十四日、島にあった店舗を閉じ、金融機関は郵便局だけとなった。
(2002年月5月29日掲載)


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